第50回日本動脈硬化学会総会学術集会

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会長挨拶

第50回日本動脈硬化学会総会・学術集会
会長 山下 静也
日本動脈硬化学会 理事長
りんくう総合医療センター 病院長
大阪大学大学院医学系研究科 総合地域医療学寄附講座・循環器内科学 特任教授

第50回日本動脈硬化学会総会・学術集会の開催に当たって

 この度、第50回日本動脈硬化学会総会・学術集会を2018年7月12日(木)、13日(金)に大阪国際会議場(大阪市)で、またそのサテライト集会を7月14日(土)に大阪国際交流センターにて開催させて頂くこととなりましたので、一言ご挨拶申し上げます。これまでの日本動脈硬化学会の歴史を振り返りますと、総会・学術集会の大阪での開催は、1992年の第24回(垂井清一郎先生)、1996年の第28回(山本 章先生)以来、22年振りとなります。以前は冬季大会もありましたので、松澤佑次先生の1999年の冬季大会からでも20年近い歳月が経過しております。第1回日本動脈硬化学会が大島研三先生の会頭のもとで開催されたのは1972年(昭和47年)ですので、今回が第50回記念の総会・学術集会となります。

 第50回の記念大会でもあり、これまでの約半世紀に亘る日本動脈硬化学会における研究・臨床の歴史を振り返ってみたいと考えております。我が国の動脈硬化研究は、遠藤 章先生によるスタチンの発見と山本 章先生らによる世界初の投与、渡辺嘉雄先生によるLDL受容体を欠損するWHHLウサギの発見とGoldstein & Brownラボでの北 徹先生による解析、CETP欠損症の発見とそのリポ蛋白代謝異常と動脈硬化惹起性の研究など、世界中から注目されてきました。本学会は従来病理学と脂質異常症を中心に発展して来た学会であり、LDLコレステロール(LDL-C)やトリグリセライド低下療法のエビデンスを集積するとともに、それに基づいたガイドラインの作成と普及で大きな成果を挙げてきました。更には、内臓脂肪が蓄積することにより動脈硬化危険因子が個人に集積し動脈硬化易発症性となる内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の概念の松澤らによる確立と、メタボリックシンドローム診断基準の作成において、本学会は先導的な役割を果たしてきました。

 PCSK9阻害薬の開発でLDL-Cは相当なレベルまでの低下が可能となりましたが、未だに多くの残余リスクが存在しており、特に我が国で増大するメタボリックシンドロームや糖尿病による大血管合併症のメカニズムの解明と新たな治療法の開発も本学会に求められており、今後血管生物学を中心とした斬新な切り口での研究を振興させる必要があると考えられます。

 このような観点から、第50回総会・学術集会のテーマは「深く識る動脈硬化学~これまでの半世紀と未来への提言~」とさせて頂きました。本会では今後の半世紀を見据えて、学会として何ができるのかについて未来へ向けた積極的な議論や提言も行いたいと考えております。また、医師のみでなく薬剤師、栄養士、保健師、看護師、臨床検査技師、理学療法士等のメデイカルスタッフの方々が動脈硬化予防のための積極的な活動をして頂けるような、また、若手医師が将来の動脈硬化研究に積極的に参加して頂けるような企画も考えています。シンポジウムやポスター発表も従来の日本動脈硬化学会とはかなり異なるスタンスで、可能な限り若手に発表の機会・時間を十分に与えるべく計画しています。参加される方々におかれましても、動脈硬化予防、臨床と研究に斬新な流れを持ち込んで頂けますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。最後に、大阪は「食い倒れの街」、「天下の台所」等と言われるほど、食にうるさく美味しい食べ物が沢山あり、お笑い文化を堪能して頂くとともに、大阪城を眺めながら心身のリフレッシュをして頂ければと祈念しております。多くの参加者にご参集頂き、熱心な研究発表と意見交換がなされることを期待しております。