第14回医療の質・安全学会学術集会

プログラム・日程

大会長講演

大会長講演

「レジリエンスの探求~つながり、共創、イノベーション~」

11月30日(土)10:50~11:30 第1会場(メインホール)

座長
児玉 安司 (新星総合法律事務所 / 自治医科大学 / 一橋大学法科大学院 客員教授)
演者
中島 和江 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 教授)

特別講演

特別講演

「レジリエント・ヘルスケア・マネジメント:概観と展望」通訳

11月29日(金)10:30~11:30 第1会場(メインホール)

座長
中島 和江 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 教授)
演者
Erik Hollnagel (ヨンショピン大学医療福祉大学院医療安全学 シニア教授
マッコリー大学オーストラリア・ヘルス・イノベーション研究所
客員教授フェロー)

海外招請講演

海外招請講演1

「オリンピック大会中の選手に対する医学的・薬学的ケアを改善する」通訳

11月29日(金)17:30~18:30 第1会場(メインホール)

座長
笠師久美子 (北海道医療大学薬学部 薬学教育推進講座 特任教授)
安部  猛 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 医療の質・安全管理部 助教)
演者
Mark Stuart (国際オリンピック委員会(IOC)医科学部会 薬剤師
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)禁止薬物リスト委員会 委員)

海外招請講演2

「医療は日々改善:実践し論文化しよう」通訳

11月30日(土)9:40~10:40 第3会場(Room B-1)

座長
伊藤 英樹 (広島大学病院 医療安全管理部 教授)
滝沢 牧子 (群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座 病院講師)
演者
Cat Chatfield (BMJ 医療の質改善担当エディター 英国総合内科医)

国内招請講演

国内招請講演1

「食事と健康と幸福」

11月29日(金)14:00~15:00 第1会場(メインホール)

座長
松澤 佑次 (住友病院名誉院長・最高顧問 / 大阪大学名誉教授)
演者
土井 善晴 (おいしいもの研究所代表 料理研究家)

国内招請講演2

「JR東日本のオープン・イノベーション」

11月29日(金)15:10~16:10 第1会場(メインホール)

座長
芳賀  繁 (株式会社社会安全研究所/立教大学 名誉教授)
演者
小縣 方樹 (東日本旅客鉄道株式会社 取締役副会長)

国内招請講演3

「多様な社会を支えるIoT技術」

11月29日(金)16:20~17:20 第1会場(メインホール)

座長
松村 泰志 (大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学 教授)
演者
坂村  健 (東洋大学 情報連携学部(INIAD) 学部長)

国内招請講演4

「循環器医療のFuturability ~リスクを超えて未来医療に挑戦する~」

11月30日(土)9:40~10:40 第1会場(メインホール)

座長
中島 和江 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 教授)
演者
澤  芳樹 (大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科 教授)

国内招請講演5

「次世代医療の展望 - Medicine for Humanity」

11月30日(土)14:50~15:50 第1会場(メインホール)

座長
西田 幸二 (大阪大学大学院医学系研究科 眼科学 教授)
演者
武部 貴則 (横浜市立大学 コミュニケーション・デザイン・センター センター長
東京医科歯科大学 統合研究機構 教授
シンシナティ小児病院 消化器部門・発生生物学部門 准教授)

適塾セミナー

適塾セミナー1

「医療現場の行動経済学」

11月29日(金)14:00~15:00 第2会場(Room A)

座長
原田 賢治 (東京農工大学 保健管理センター 教授)
演者
大竹 文雄 (大阪大学大学院経済学研究科 教授)

適塾セミナー2

「急性呼吸不全のモニタリングと対応方法:
一般病棟でできること、集中治療医にまかせること」

11月29日(金)14:00~15:00 第3会場(Room B-1)

座長
佐藤  仁 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 麻酔科部長・講師)
演者
吉田 健史 (大阪大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療医学講座 助教)

適塾セミナー3

「薬局における生活習慣病患者支援の可能性~COMPASS研究と世界のトレンドから」

11月29日(金)15:10~16:10 第3会場(Room B-1)

座長
安部  猛 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 医療の質・安全管理部 助教)
演者
岡田  浩 (京都大学大学院医学研究科社会健康医学系 健康情報学分野 特定講師)

適塾セミナー4

「臨床研究はどのように進化し、医療を進化させてきたか」単位

11月29日(金)16:20~17:20 第3会場(Room B-1)

座長
新保 昌久 (自治医科大学附属病院 医療の質向上・安全推進センター センター長・教授)
演者
山本 晴子 (国立循環器病研究センター 理事長特任補佐・臨床研究管理部長)

適塾セミナー5

「これからの医療におけるSDMの意義」

11月29日(金)17:30~18:30 第3会場(Room B-1)

座長
小松 康宏 (群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座 教授)
演者
中山 健夫 (京都大学大学院医学研究科 健康情報学分野 教授)

適塾セミナー6

「航空会社のサービス品質・訓練イノベーション」

11月30日(土)9:40~10:40 第2会場(Room A)

座長
中島  伸 (国立病院機構 大阪医療センター 総合診療部 部長・脳神経外科 医長)
演者
山川 恵理 (全日本空輸株式会社 /
客室センター オペレーション品質推進部 オペレーションサポート課)
和田  尚 (日本航空株式会社 運航本部 訓練審査企画部 乗員養成室 A350機長 /
飛行訓練教官)

適塾セミナー7

「医療の質・安全のための研究手法~質問紙・テキスト分析~」

11月30日(土)13:10~14:10 第2会場(Room A)

座長
武田 理宏 (大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学 准教授)
演者
安部  猛 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 医療の質・安全管理部 助教)

適塾セミナー8

「日本の近代病院建築」

11月30日(土)13:10~14:10 第3会場(Room B-1)

座長
橋本 重厚 (福島県立医科大学会津医療センター 糖尿病内分泌代謝・腎臓内科学 教授)
演者
尹  世遠 (鹿島建設株式会社 営業本部 医療福祉推進部 副部長)

適塾セミナー9

「医療の質・安全の研究における自然言語処理」

11月30日(土)8:00~9:00 第4会場(Room B-2)

座長
田中 晃司 (大阪大学医学部附属病院 消化器外科・中央クオリティマネジメント部 助教)
演者
荒牧 英治 (奈良先端科学技術大学院大学 研修推進機構研究推進部門 新プロジェクト研究室 特任准教授)

適塾セミナー10

「不祥事と組織のレジリエンス」

11月30日(土)13:10~14:10 第7会場(Room D)

座長
寺崎  仁 (東京女子医科大学 医療安全科 教授)
演者
樋口 晴彦 (警察庁長官官房人事課 人事総合研究官)

大会企画シンポジウム・パネルディスカッション(SY)

SY1(シンポジウム)【日本老年医学会とのジョイントセッション】

「転倒転落を科学的視点で捉え直す」

11月29日(金)8:50~10:20 第1会場(メインホール)

企画概要
背景:転倒は医療機関や老人施設のみで生じているわけではなく、自宅でも起こる。医療現場では、これまで転倒を可能な限り減らすため、転倒リスク評価表を用いた入院時・入所時の評価とそれに基づく対策、離床センサーやマットを用いた検知、譫妄や認知症のリスク評価や薬物治療など長年にわたり、多くの努力を傾注してきた。しかし、加齢に基づく身体的、或いは高次知的能力が低下した高齢者の転倒を完全に回避することはできない。すなわち、従来的な事故防止という観点から転倒を考えることは限界にきている。転倒を科学的視点で再度捉え直すため、シャープエンドの老健施設の現状、基幹病院において集積されたデータの新しい解析知見、老年を統合的に研究する学会の知見、法的な視点など多角的に検討する必要がある。目的:高齢者の転倒転落に関する現状と限界、また、高齢者の転倒転落は加齢性の変化であるという科学的視点から、今後、どのようにこの課題をとらえ直すことができるかについて、ともに考え、学ぶことを目的とする。そこで老年医学の立場から、国立長寿医療研究センター理事長 荒井秀典先生に、法律家の立場から児玉安司先生に、老健施設の立場から、介護老人保健施設 事務長・武藤 章先生に、基幹病院の科学的データ集積を表す立場から東京大学医療安全対策センター センター長山本 知孝 先生に、それぞれの知見を発表していただき、転倒を科学的視点で捉え直すことにより、転倒に対する新たな視点を与えることを企図した。
座長
橋本 重厚 (福島県立医科大学会津医療センター 糖尿病内分泌代謝・腎臓内科学)
演者
荒井 秀典 (国立長寿医療研究センター)
児玉 安司 (新星総合法律事務所 / 自治医科大学 / 一橋大学法科大学院 客員教授)
武藤  章 (医療法人三幸会 介護老人保健施設紫雲苑)
山本 知孝 (東京大学医学部附属病院 医療評価・安全部)

SY2(シンポジウム)

「患者安全における薬剤師の役割-連携強化による薬学的介入の真価-」

11月29日(金)8:50~10:20 第2会場(Room A)

企画概要
本シンポジウムでは、“安全”と“つながり”をテーマに、明日から応用可能な薬剤師の取り組みについて、4人の演者にご登壇頂きます。
まず、医療安全専従薬剤師の日々の活動について、大学病院薬剤師GRMの立場から具体的な取り組み内容を踏まえて紹介します。医療安全部門におけるチーム医療としての活動や、薬剤部内での安全への取り組みにおいて、薬剤師GRMがどのような立ち位置・役割をもっているのか、また、医療安全を発展させるため、新しい安全へのアプローチであるレジリエンス・エンジニアリング理論の臨床への適応例について紹介します。
また、同じく医療安全専従薬剤師の立場として薬剤師がどのような体制の下、多職種と関わっていけば良いのか、安心安全な薬物治療を継続して提供することが出来るのかについて、長年医療安全部門に従事し、日本病院薬剤師会主催の医薬品安全管理責任者等講習会などで教鞭をふるっておられる経験をもとにご登壇頂きます。
次に、保険薬局薬剤師の立場から、病院から在宅までの医療体制の構築に不可欠な地域医療において、病院の医師や医療スタッフといかにして“顔の見える関係づくり”を行っているのか、また病院と保険薬局のつながりを、どのようにして地域の多職種連携につなげていくのかについて、具体的な活動内容をご報告頂きます。
最後に、医薬品安全管理責任者の立場から、薬剤師の求められる役割をいち早く捉え、先駆的に日常業務に応用するために取り組んでいる内容を報告頂きます。また、薬剤師の働く環境を先行的に整えるため必要なリーダーシップやマネジメントについても提案頂きます。
本シンポジウムを通して、あらためて患者安全における薬剤師業務における日々の悩み等を共有し、今後の薬剤師の将来の薬剤師像などについて、様々な立場の先生方と意見交換が出来ましたら幸いです。
座長
米井 昭智 (倉敷中央病院 医療安全管理室)
荒井 有美 (北里大学病院 医療の質・安全推進室)
演者
木下 徳康 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 /
大阪大学医学部附属病院 薬剤部)
渡邉 幸子 (医療法人社団哺育会 白岡中央総合病院 情報管理部)
北尾 美帆 (総合メディカル株式会社 北野調剤薬局)
舟越 亮寛 (医療法人 亀田総合病院 薬剤管理部)

SY3(シンポジウム)

「地域医療における“つながり”を設計する」

11月29日(金)17:00~18:30 第2会場(Room A)

企画概要
急激に高齢化が進む社会の中で、高度化・細分化が進む多忙な医療の現場において、一人一人の患者さんのニーズにこたえながら、包括的なケアを実現することは容易ではない。各医療機関や施設の限りあるリソースを活用し、細分化された業務を効率よく遂行し、個々のベストパフォーマンスを発揮することで目標を達成しようとする方法論だけでは、多様化するニーズに対応することは困難になりつつある。特に、複数の疾患をかかえ、その価値観においても多様な高齢者のケアに当たっては、診断・治療といった狭義の医療行為(medical care)だけではなく、社会的、経済的、認知的背景を十分考慮した広義の医療(health care)が求められている。平均在院日数が短縮する急性期病院医療においても質の高い医療を提供するためには、入院前から退院後までの患者さんの普段の生活を含めたヘルスケアを行うという地域医療の考え方を理解することが必須となりつつある。従来の組織や職種の枠組みにとらわれず、高齢化し多様な患者さんや家族、地域住民の主体的なかかわりを通じて、彼らの力を十分に引き出し、つなげることで、新しい価値を共に創り出すシステムや持続可能な課題解決のアプローチが求められている。
本セッションでは、都市部や地方における地域医療の現状と将来像、柔軟なつながりのデザインや持続可能な課題解決のアプローチについて4名の演者よりご講演いただく。はじめに、都市部と過疎地の異なる医療機関に医療者・管理者としてかかわり、ご経験された演者に、地域包括ケアの概念や都市部、地方における医療の状況について、ご講演いただく。次に、地域医療計画や地域包括ケアの計画主体である県の行政官であり、医師である演者から、今、地方自治体の直面している課題や取り組みについて、ご講演いただく。つぎに、病院-薬局-施設間での地域医療支援システムを開拓し、地域における薬剤師の新しい働き方を提案して活動しておられる演者にご講演をいただく。最後に、長年にわたり訪問看護活動の実践を通して、地域のつながりの中で生活者としての患者さんの力を引き出してこられ、「暮らしの保健室」の活動を全国に広げてこられ、「マギーズ東京」の設立に尽力された演者にご講演をいただく。
座長
林  泰広 (聖隷横浜病院)
中野由美子 (聖隷淡路病院 看護部)
演者
新木 一弘 (東京医療センター)
田中  剛 (広島県 健康福祉局 / 広島大学大学院医学系研究科)
狹間 研至 (ファルメディコ株式会社)
秋山 正子 (株式会社ケアーズ 白十字訪問看護ステーション / 認定NPOマギーズ東京)

SY4(シンポジウム)

「手術チームのレジリエントパフォーマンスの機序と実装」

11月29日(金)8:50~10:20 第3会場(Room B-1)

企画概要
手術の大多数は無事完了するが、そのうまくいっているメカニズムに関しては不明な点が多い。手術においては、外科医の技術は重要であるが、その中にはテクニカルなスキルのみではなく、チームをまとめるスキルも含まれる。
近年、レジリエンス・エンジニアリング理論に基づく新しい医療安全へのアプローチが提唱された。このアプローチでは、医療チームや組織等を複雑適応システムとしてとらえ、システムがさまざまな擾乱と環境的制約がある中で柔軟に対応し、速やかに回復できているメカニズム(機序)を解明し、 またそのレジリエンス特性を利用し、 物事がうまく行われることを目指す(実装)ものである。手術チームはまさにレジリエントなシステムと考えられるが、本セッションでは、手術データサイエンス、手術・医用画像の深層学習などを通じて、術者を含む手術チームのレジリエントパフォーマンスの機序解明と実装に関する取り組みについてご発表いただく予定である。
座長
田中 晃司 (大阪大学医学部附属病院 消化器外科・中央クオリティマネジメント部)
工藤  篤 (東京医科歯科大学大学院 肝胆膵外科学分野)
演者
田中 晃司 (大阪大学医学部附属病院 消化器外科・中央クオリティマネジメント部)
工藤  篤 (東京医科歯科大学 肝胆膵外科)
中村 亮一 (東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 生体機能修復研究部門 バイオデザイン分野)
村垣 善浩 (東京女子医科大学 先端生命科学研究所 先端工学外科学分野)

SY5(パネルディスカッション)

「地域医療における多職種教育-ノルウェーおよび日本での取り組み事例から-」通訳

11月29日(金)15:10~16:40 第4会場(Room B-2)

企画概要
超高齢社会へ対応すべく地域包括ケアシステムの構築が各地で推進されている。地域包括ケアシステムとは「高齢 者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制」であるが、構造面の充実に加えて、急務であるのがその一線で活躍する地域医療・介護提供者の教育およびケアの質向上である。地域における外来・訪問診療、訪問看護・介護、施設ケア、慢性期入院医療では、急性期医療と異なり、そのプロセスやアウトカムが質指標により測定されにくく、実践内容と質にばらつきが大きいのが現状である。本パネルディスカッションでは、在宅および施設ケアを含んだ広い概念としての「地域医療」を担う多職種の教育に関してノルウェーおよび日本の取り組み事例から得られた知見にもとづき、ディスカッションを行う。
まず、ノルウェー・ロガランド県よりリネ・トムセン氏(高齢者医療専門看護師)を招き、ノルウェーで実践されている高齢者ケアの質向上を目的とした、地域の看護師・介護職に対する教育プログラムの成果に関して講演いただく。県の高齢者介護施設・在宅ケア開発センターが開発したプログラムで、在宅および介護施設において「系統的観察とコミュニケーションアルゴリズム」を活用するものである。プログラムでは、観察とコミュニケーションスキルの向上を目的として、老年医学と急性期ケアを1日コースで学び、スキルセッションとシミュレーショントレーニングを2時間ずつ行う。その導入成果についても紹介される予定である。
次に、日本で先駆けとなる診療看護師(Nurse Practitioner)として、訪問看護師の教育に携わってきた田平絵里氏(戸塚共立第一病院訪問診療部)より、地域における多職種教育の現状と課題を紹介する。日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア看護師認定委員会における「プライマリ・ケア看護師」に求められる能力とその教育に関しても紹介される予定である。
最後に、総合診療医の教育に携わってきた井上真智子氏(浜松医科大学地域家庭医療学講座)より、人生の最終段階における医療・介護に関するアドバンス・ケア・プランニング(通称:人生会議)について、浜松市を中心とした活動と、多職種に求められるコミュニケーションスキルについて解説する。これらの発表をふまえ フロア参加者とのディスカッションにより、日本でこれらの教育を充実・発展させるための方向性や手段について意見交換を行う。
座長
井上真智子 (浜松医科大学 地域家庭医療学講座 / 静岡家庭医養成プログラム)
森山美知子 (広島大学大学院医系科学研究科 成人看護開発学)
演者
Line Hurup Thomsen (ロガランド高齢者介護施設・在宅ケア開発センター プロジェクトマネジャー / 高齢者医療専門看護師)
田平 絵里 (横浜柏堤会 戸塚共立第一病院 在宅診療部 /
みんなのかかりつけ訪問看護ステーション)
井上真智子 (浜松医科大学 地域家庭医療学講座 / 静岡家庭医養成プログラム)

SY6(シンポジウム)

「医療における共創とイノベーション~価値、モノ、人材を創り出す~」

11月29日(金)17:00~18:30 第4会場(Room B-2)

企画概要
患者の高齢化、医療の細分化、テクノロジーの進歩など医療を取り巻く環境は変化しつつある。擾乱と制約のある医療の世界では、限られたリソースを用いて、質の高い医療や介護などを提供することが求められている。しかしながら、従来通りのやり方や現場の努力のみでは対応困難な状態になってきている。このような状況を克服し、安全で質の高い医療を実現するためには、多様性や専門性を有する人々がつながり、新しい価値やモノを生み出す必要がある。また、そのような価値やモノを生み出すための人材育成も非常に重要な問題である。本セッションでは、医療における新しい価値・モノ・人材を創り出した先生方に、その過程と成果および今後の展望についてご講演いただく。
座長
伊藤 敏文 (JCHO大阪病院 消化器内科)
渡邊 浩子 (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 医学部保健学科生命育成看護科学講座)
演者
中川 敦寛 (東北大学病院 臨床研究推進センター)
星山 栄成 (獨協医科大学 脳神経内科)
吉田 悦子 (大阪大学 知的基盤総合センター)
島田 順一 (京都府立医科大学 呼吸器外科)

SY7(シンポジウム)

「改善にむけた測定尺度・手段としてのQuality Indicator
(Quality Indicators: measure for improvement)」通訳

11月29日(金)8:50~10:20 第7会場(Room D)

企画概要
エビデンスに基づく標準的な医療を安全,効率的に提供するためには医学的アプローチに加え,産業界で発展した品質管理学の手法を応用することが欠かせない.医療の質は「個人や集団を対象に行われる医療が望ましい健康状態をもたらす可能性の高さ,その時々の専門知識に合致している度合い」と定義されるが、安全を含む医療の質を改善するためには、医療の質を客観的に測定し、活用することが不可欠である。経済協力開発機構(OECD)は、2018年に「測定と報告」が医療安全を強化するために最も効果的であると報告している。一方、日本の医療に関する報告書(OECD、2014年)は日本の医療水準は高いものの,医療の質を評価し,改善する取り組みが諸外国に比べて遅れていることを指摘した。
医療の質を反映する定量的な評価指標が「質指標 (quality indicator)」であり,構造(structure), 診療の内容・過程(process),診療の結果(outcome)で測定することができる.質指標は、診療の質を客観的に示した記録であり、予想(期待)と現実を明らかにし、改善課題を見出したり、改善の程度を評価することに役立つが、同時に施設間の比較(benchmarking)、社会への説明責任(行政監査、病院認証など)、患者が病院を選択する判断基準に使用されることもある。
数値は独り歩きすることがあり、手段と目的を誤ってはならない。誤った指標設定は医療プロセス自体に悪影響を及ぼすし、現場の医療スタッフが測定に労力が割かれてしまうようでは本来の業務に支障がでる。指標の選定、測定、結果の解釈と活用を組織的、体系的に取り組むことが求められる。本シンポジウムでは、国内外で質指標の研究・実践に取り組んでいる3名の演者から医療の質指標の選定、測定、活用の理論と実際について講演していただき、わが国における質指標の普及につなげたい。
Johan Thor 先生はスウェーデンで質指標に関する多くの研究をされており、北欧での現況をお話しいただく。青木先生には、プライマリケア領域での質指標の活用について、また患者経験との関連についてもお話しいただく。嶋田先生には、電子カルテシステムと連動した質指標の測定と活用法についてお話しいただく予定である。
座長
小松 康宏 (群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座)
演者
Johan Thor (ストックホルム・ゴットランドヘルステクノロジーアセスメント委員会 上席医療顧問ヨンショピン大学 健康福祉改善アカデミー 准教授)
青木 拓也 (京都大学大学院医学研究科 地域医療システム学講座)
嶋田  元 (聖路加国際大学 情報システムセンター)

SY8(パネルディスカッション)

「未来にはばたく君たちへ~世界医学教育連盟が求める卒前医療の質・安全教育」

11月29日(金)15:10~16:40 第7会場(Room D)

企画概要
我が国の医学部生教育において、ほとんどの施設で「医療の質・安全教育」が導入されているが、統一された学習方法は提示されてはおらず各大学での医学教育モデルコアカリキュラムに沿った工夫に任されている。看護学教育・薬学教育においても、その教育モデルコアカリキュラムには「患者安全の確保」に関する項目があるが、看護においては「ケアの質と安全管理」、薬学においては「チーム医療への参画」といった職種特有の業種項目重視されており、全医療職共通の医療の質・安全教育指針の策定はなされていない。
医療系学部教育の中でも医師と薬剤師はその育成期間がともに6年間で、臨床実習に臨む学生の質保証として客観的臨床能力試験OSCE(Objective Structured Clinical Examination)が導入されているといった共通点がある。「医療の質・安全教育」は一方的な講義のみで習得できるものではなく、医療における基礎知識を土台として、問題を認識し解決するための方策を考える臨床能力が必要であるため、医学部、薬学部におけるOSCEではそれぞれに「患者安全の確保」に着目した学生評価がなされているが、職種間共通の評価項目や課題は見当たらない。また評価方法においても学生のみならず、指導する教官の資質基準や評価などを示したものはない。
現在医学部教育で求められている世界医学教育連盟認証では「医療の質・安全教育の充実」の充実が強く求められている。職種間連携の上に成り立つ医療においては、世界医学教育連盟認証を医学部のみで論じるのではなく、国内外で活躍できる人材育成という将来を見据え、全医療系職種の学部教育者のすべてが関心をもって取り組む必要があると考える。

目的
今回は世界医学教育連盟認証の概要とわが国での受審状況を踏まえ、医療の質・安全教育において、卒前もしくは卒後の教育を担う医学・薬学のtop leaderからお話を伺い、生涯教育として全医療職種横断的な医療の質・安全教育の在り方を議論する。
座長
奥田 真弘 (大阪大学医学部附属病院 薬剤部)
高橋 敬子 (兵庫医科大学 医療クオリティマネジメント学)
演者
北村  聖 (地域医療振興協会)
相馬 孝博 (千葉大学医学部附属病院 医療安全管理部)
石井伊都子 (千葉大学医学部附属病院 薬剤部)

SY9(シンポジウム)

「組織は人なり」

11月29日(金)17:00~18:30 第7会場(Room D)

企画概要
「人」にフォーカスし、適応的で質の高い地域医療システム創造、魅力ある病院創りにリーダーシップを発揮されている2人の“カリスマ”病院長にご登壇頂きます。
後藤隆久先生は、大学病院としての高い専門性を活かしつつ、健全経営のもとで地域住民や医療機関の期待に応えられるような病院創りを目指して、強いリーダーシップを発揮されています。また、文部科学省「課題解決型高度医療人材養成プログラム」として履修証明プログラム大学院コース「都市型地域医療を先導する病院変革人材育成」を開設し、事業責任者を務められています。本プログラムでは、医療経営学や政策学などの体系的な理解とあわせて、急激な高齢化や地域の介護力不足などの社会的背景の変化や時々の政策などに柔軟に適応し、未来の医療の質を担保できる人材の育成に取り組まれています。
登谷大修先生は、「病院の差は職員の差」であり現場の職員こそが病院の最大の力であるというポリシーのもとで、病院の組織改革を進めてこられました。職員が価値観を共有し共通の「思い」を想像できる環境作りや、仕事と生活の両立やキャリア支援を通したワーク・ライフ・インテグレーションに関する取組み、事務力を活用した組織的改善などを通して、患者さんの立場で考える温かい医療を提供するために前向きになれる病院の雰囲気作りを実践されております。 医療を取りまく社会背景の急激な変化に対して、人材の育成や職員のモチベーション向上を通して、病院や地域医療の質向上につなげる柔軟な組織デザインに関する取組みをご紹介頂きます。
座長
越村 利惠 (大阪大学医学部附属病院 副病院長・看護部長)
演者
登谷 大修 (福井県済生会病院 院長)
後藤 隆久 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 病院長)

SY10(シンポジウム)

「想定外に備える~院内インフラが壊れるとき~」

11月29日(金)15:10~16:40 第8会場(Room E)

企画概要
災害時においても医療機関がその機能の提供を維持できることを目的とし、事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)の策定が医療機関に求められている。昨年も国内では、地震や台風、水害など多くの自然災害を経験し、インフラストラクチャーのダメージを受け、難しい対応を迫られた医療機関が存在しており、BCPの重要性はより注目されているところである。一方、医療機能の継続について脅威となるのは必ずしも自然災害だけではない。人工心肺装置や人工呼吸器などの生命維持装置や手術システム、電子カルテを含む多くの医療機器や療養環境を支えるライフラインにダメージが生じた際には、病院管理部門もフロントラインである各部署も、スピード感をもった柔軟な対応が迫られることになるが、必ずしも多くの施設がそのノウハウを持ち合わせているわけではない。そこで、これまでにインフラストラクチャーの障害を経験した施設の対応を共有することは、緊急事態の患者安全にとって重要であると考えられたため本セッションを企画した。
予定している演題は下記の通り。
演者1:大阪大学医学部附属病院における、電気室の定期点検中に発生した大規模停電事故での対応について
演者2:倉敷中央病院における、電力会社の供給装置トラブルに伴う広範囲の電源喪失について
演者3:大雪による交通機関の麻痺によって生じた帰宅困難者対応と業務の継続について
演者4:天井裏給湯管の接続外れに伴うICU避難の経験について
演者5:台風21号にともなって発生した(149床)療養型病院における停電に伴った人工呼吸器患者の災害拠点病院による転送支援と、病院避難要請に伴うDMATによる支援経験について。
「緊急報告」として、今秋の台風15号、19号被災時に、地域の医療支援にご尽力されたご経験に関しまして、亀田総合病院の鈴木真先生からご報告頂きます。
座長
櫻井  淳 (日本大学病院 救急科)
演者
伊地知大策 (大阪大学医学部附属病院 管理課電気係)
富永 秀次 (公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院)
森田 浩史 (福井大学医学部 救急医学)
川北 良樹 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 看護部)
鍜冶 有登 (岸和田徳洲会病院 救命救急センター)
緊急報告
鈴木  真 (亀田総合病院 医療安全管理室)

SY11(シンポジウム)

「患者の力を引き出す患者協働型医療へのアプローチ」通訳

11月30日(土)8:00~9:30 第1会場(メインホール)

企画概要
医療技術の進歩により、急性期医療のみでなく慢性疾患医療の質と安全を考える必要性が増している。2001年に米国IOMから発行されたCROSSING THE QUALITY CHASMにおいても、21世紀の医療には、患者の視点に基づいて医療システムをredesignする必要があると提唱され、そのためのShared Decision Making(SDM)や、部署や職種のサイロを越えた包括的なケアの必要性が既に説かれている。これは「患者(patient)」の「疾病治療」を目的とし「各サイロの医療者主導」で進めてきた医療システムから、「病ある生活者(person)」の「自律性を引き出すこと」を目的とし「患者と医療者チームが協働」する医療システムへのパラダイムシフトを促すものである。
特に近年は、低侵襲技術や新薬など患者が選択できる治療法は多様化する一方、患者の高齢化や多疾病の併存等により治療法の選択基準は明確でなくなっており、ますますSDMが必要となっている。しかし日常診療では多くの患者を診察しなければならず、また入院期間は益々短縮され、患者との協働が難しい環境に医療者は置かれている。SDMを通じて医療への患者参加がなされて初めて、治療的教育が可能となり、治療や身体管理に自律的に取り組むことが可能となるため、継続的な自己管理が重要となる慢性疾患医療においては、効果的かつ効率的にSDM、自己管理を促す仕組みをデザインすることが重要であるが、どのようにデザインすればよいかについて確立した方法は示されていないのが現状である。
本セッションは、こうした課題の解決策について、医療システムを構築する医師、薬剤師、看護師、患者・家族のそれぞれの目線からの新しい取り組みを紹介し、患者の力を引き出す患者協働型医療を推進するヒントを得ることを目的とする。台湾の医療機能評価機構CEOで患者協働型医療を推進するための医療者教育活動を展開するPa-Chun Wang(王 抜群)先生からの基調講演ののち、調剤薬局薬剤師による住民啓発、患者エンパワメントを成功させるための方法論を確立し薬剤師教育を展開する岡田浩先生の活動、「自身の身体に関する専門家」である患者同士のpeer-to-peerなつながりがSDMや患者の自律性獲得に有効であるという大阪大学医学部附属病院腹膜透析外来の取り組み、さらに患者・家族の視点からのピアサポートを長年続けてこられた豊田郁子様の活動について紹介し、限られたマンパワー、時間等の制約の中で患者協働を効率的・効果的に推進するためのデザインについて多角的に学び、ディスカッションを行う。
座長
山本 知孝 (東京大学医学部附属病院 医療評価・安全部)
北村 温美 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部・腎臓内科)
演者
王  抜群 (台湾医療機能評価機構 最高経営責任者 / 天主教輔仁大學医学校 教授)
岡田  浩 (京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学)
北村 温美 (大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部・腎臓内科)
豊田 郁子 (患者・家族と医療をつなぐNPO法人 架け橋 /
イムスリハビリテーションセンター 東京葛飾病院)

SY12【大会特別企画】(パネルディスカッション)

「少子高齢社会、一億総活躍社会、働き方改革  
― 擾乱と制約下で柔軟に機能するレジリエント・ヘルスケアをどう実現するか」

11月30日(土)13:10~14:40 第1会場(メインホール)

企画概要
急速に少子化、高齢化が進む我が国において、日本政府は社会のサステナビリティのために「一億総活躍社会の実現」を掲げ、それを実現するための手段として「働き方改革」を打ち出した。
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」は2018年7月6日に公布され、残業時間の上限規制をはじめとする働き方改革、ワークライフバランスの充実は企業において優先的に取り組むべき課題となっている。医師をはじめとする医療職においても、働き方改革は重要な課題であるが、一方で医療職においてはその公共性、不確実性、高度の専門性から、マンパワーも限られており、一般的な働き方改革と同列に扱うのが難しいという現状がある。
2018年4月に行われた3回世界患者安全サミットで採択された「患者安全に関する東京宣言」では、患者安全の取り組みとして、患者本人、家族の医療従事者の参加等と同様に「医療従事者の適切な労働環境が必要である」とされており、医療従事者の働き方改革は患者安全を考える上でも重要な要素の一つであると言える。
2017年8月より厚生労働省では「医師の働き方改革に関する検討会」が開催され、2019年3月に報告書が取りまとめられた。この中で2024年度からは原則的に医師の年間残業960時間の上限が設定される予定であり、限られた労働資源の中で、タスクシフトや交代勤務をどのように取り入れていくのか、医療資源の配置の仕方や、患者を含めた医療関係者のメンタルモデルの共有など取り組むべき課題は多岐にわたる。
ヘルスケアシステムはこれまで経験したことのない困難の中で、人々の健康を守り、社会の福祉に貢献し、医学・医療を進歩させていかなければならない。まさに、レジリエントなヘルスケアシステムの実現が求められている。レジリエントなシステムとは、さまざまな擾乱や制約のある環境下において、柔軟に対応しシステムの本来の目的(機能)を果たすことができるシステムのことである。このようなシステムを実現するためには、システムの境界を越えて協働すること、新しいつながりを形成し新たな機能や価値を共創すること、またそれらがボトムアップ(自律分散)で行われるような「デザイン」が必要となる。
本パネルディスカッションにおいては、指定講演として、日本医学会長、厚生労働省大臣官房審議官、独立行政法人労働者健康安全機構理事長、大阪大学医学部附属病院長を迎え、ヘルスケアの未来ビジョンやチャレンジを概説いただき、公募課題として、実際の現場の働き方改革の取り組みを紹介した上で、パネルディスカッションを行い、どのようにすれば、生命システムのように柔らかくしなやかにパフォーマンスするヘルスケアシステムを構築できるかについて理解し、議論を深めることを目的とする。
座長
中島 和江 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 教授)
有賀  徹 (独立行政法人労働者健康安全機構 理事長)
演者
門田 守人 (日本医学会 会長 / 地方独立行政法人堺市立病院機構 理事長)
迫井 正深 (厚生労働省大臣官房 審議官)
有賀  徹 (独立行政法人労働者健康安全機構 理事長)
木村  正 (大阪大学医学部附属病院 病院長)
倉澤健太郎 (横浜市立大学 産婦人科 准教授)

SY13(シンポジウム)

「医療安全向上に資する電子カルテの機能と運用
~診断報告書の見落とし防止に向けて~」単位

11月30日(土)8:00~9:30 第2会場(Room A)

企画概要
医療は益々高度化し、複雑化していく傾向にあり、人間系の運用上の工夫だけで医療安全を図ることは難しくなってきている。一方、電子カルテが普及し、この機能を工夫することで、医療安全対策に貢献できる可能性がある。我々は「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」を受託している。本研究班は医療安全担当者と医療情報担当者からなり、医療安全に資する電子カルテ機能と、これを活用する運用体制の整備、教育の検討を行っている。
近年、患者予後に影響を与える画像診断レポートの見落としが問題となっている。我々は、自施設の画像診断レポート見落とし防止に向けた取り組みと、他施設の見落とし事例を収集し、画像診断レポートの見落とし防止に向けて電子カルテで持つべき機能とその運用方法について検証を行った。
画像診断レポートは主治医(オーダ医)が必ず確認することが原則であるが、現実の医療では複雑な状況が重なることで画像診断レポートの見落としが発生する。このため、電子カルテにはレポート作成を通知する機能、レポートの未読、既読を管理する機能が必要となる。主治医が予期せず、患者予後に影響を与える重要所見の割合は決して多くないため、画像レポートへの重要フラグの付与は、主治医への注意喚起やその後の監査に有用である。医療機関として画像診断レポートの見落としを防止するためには、レポートの未読、既読監査が必要である。しかし、画像レポートの既読は、患者対応の実施を意味するものではないため、患者対応の有無をカルテ監査することが必要となる。
我々は、これらの議論を受けて、画像診断レポート見落とし防止に向けた電子カルテ機能仕様書を作成した。この仕様書は、各電子カルテメーカーに今後、開発すべき機能の指針を示すことと、医療機関の電子カルテ導入支援を目的に作成されている。本仕様書は保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)、日本画像医療システム工業会(JIRA)に提示し、意見収集を行っている。画像診断レポートの作成、閲覧は、電子カルテ基幹システム、画像ファイリングシステム、レポート作成システム、レポート閲覧システムなど、複数のメーカーのシステムで構築されているため、画像診断レポート見落とし防止対策を難しくしている。本仕様書により、異なるメーカー間のシステム連携が円滑となり、近い将来、医療機関が安価に画像診断レポートに見落とし機能を導入できることが期待される。
本シンポジウムでは、研究班の目的を示したうえで、医療安全、医療情報、それぞれの立場から、画像診断レポート見落とし防止に向けた取り組みを提示する。さらに、作成した仕様書を概説し、電子カルテメーカーからの意見の提示を行う。本シンポジウムを通じ、画像診断レポート見落とし防止だけでなく、今後、医療安全に資するシステムとして電子カルテが発展するために、医療安全、医療情報、電子カルテメーカーが如何に関わっていくべきかの議論を行いたい。
座長
松村 泰志 (大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学)
演者
渡邉顕一郎 (厚生労働省 医政局総務課 医療安全推進室)
滝沢 牧子 (群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座)
松村 泰志 (大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学)
武田 理宏 (大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学)
井上 貴宏 (保健医療福祉情報システム工業会 / 富士通株式会社)

SY14(パネルディスカッション)

「Safety-2の実践―レジリエンスポテンシャルを強化する」

11月30日(土)14:20~15:50 第2会場(Room A)

企画概要
レジリエンス・エンジニアリングの医療への応用に関心が高まっているが,どのように医療の質・安全活動の中で実践していくかについてはまだ模索段階にある。本シンポジウムでは,初めに,社会安全研究所の芳賀繁が安全マネジメントを歴史的に振り返り,レジリエンス・エンジニアリングによる安全マネジメントが誕生し注目されるに至った背景を解説する。次に,ヒューマンファクターズ専門家で最近『Safety-IIの実践』を翻訳出版した早稲田大学の小松原明哲氏がSafety-IIの理論的枠組みを解説する。続いて,浜松医大附属病院の鈴木明氏,岡山協立病院の佐藤恭江氏,群馬大学附属病院の滝沢牧子氏から,各病院でのSafety-II実践の具体的取り組みを紹介してもらい,最後に全員で,レジリエンス・ポテンシャルを高める実践活動のあり方を議論したい。
座長
芳賀  繁 (株式会社社会安全研究所)
小松原明哲 (早稲田大学理工学術院 創造理工学部)
演者
芳賀  繁 (株式会社社会安全研究所)
小松原明哲 (早稲田大学理工学術院 創造理工学部)
鈴木  明 (浜松医科大学医学部附属病院 医療安全管理室)
佐藤 恭江 (岡山協立病院)
滝沢 牧子 (群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座)

SY15(パネルディスカッション)

「医療事故が発生したら、あなたならどうする?」

11月30日(土)14:20~15:50 第3会場(Room B-1)

企画概要
平成27年10月に医療事故調査制度がスタートしたことにも関連し、同制度の対象となる医療事故とはいかなるものか、医療事故調査の方法や医療事故調査報告書の作成方法などについての議論はなされてきましたが、医療過誤の可能性もある有害事象が発生した際に、医療機関が適時にいかなる対応をとるかについては、あまり議論されてこなかったかと思います。しかしながら、事故調査にばかり気を取られ、事故調査に長時間を費やしている間に、遺族への説明や対応がおろそかになり、気づいたら刑事事件化されたり、損害賠償請求をされたりしたという話も聞きますが、これでは、本末転倒です。医療に関連した有害事象は、本来、医療機関、医療従事者が原因を究明し、適切に対応することで解決するべきではありますが、その対応やタイミングを誤ると、刑事事件や民事事件という法的問題として取り扱われることになってしまいます。
そこで、今回のパネルディスカッションでは、日々、医療安全の現場で、具体的な対応をしている医師、看護師、事務職員をパネリストとし、多くの医療機関の顧問弁護士を務め、医療事件の対応経験の豊富な弁護士にアドバイザーとしてコメント頂きながら、具体的な死亡事例をもとに、有害事象発生直後から、現場の保全・初期の原因の究明・検討会議・警察への届出・保健所への届出・遺族対応・医療事故調査制度への届出・日本医療機能評価への報告・顧問弁護士に相談などの初期対応、最終的な原因の究明・調査結果の取り扱い・調査後の対応などの二次的な対応を、どのタイミングでどのようなに行っていくかについて、弁護士という法律の専門家の視点も交えながら検討します。こういった対応については、必ずしも一つの答えがあるわけではなく、各医療機関の規模や設立母体、地域、人員配置など様々な要素によって、とるべき対応、とることができる対応などが異なってくるかと思います。とはいえ、原因の究明や各種機関への対応、遺族との紛争防止のためには、適時に適切な対応をとる必要がありますし、法律に規定された事項を含め、最低限やっておくべき対応というものがあります。
このセッションでは、パネリスト間の議論だけではなく、経験豊富なフロアの皆様からのご意見、医療安全分野の経験はまだまだこれからという皆様からのご質問、ご意見も頂戴し、このあたりを、少しでも、深めていくことができればと考えています。
座長
小島 崇宏 (大阪A&M法律事務所)
コメンテーター
平井 利明 (中村・平井・田邊法律事務所)
パネリスト
伊藤 英樹 (広島大学病院 医療安全管理部)
相場 雅代 (自治医科大学附属病院 医療の質・安全推進センター)
大檐 克也 (聖隷浜松病院 安全管理室)

SY16(パネルディスカッション)

「シェアリング・ヘルスケアへの挑戦~限られた医療資源を地域で共有する仕組み~」

11月30日(土)9:10~10:40 第4会場(Room B-2)

企画概要
国内外で、シェアリング(モノの所有から共有へ)の意識が高まり関心が持たれている。インターネットやスマートフォンの普及、SNSの利用拡大等により、シェアリングエコノミー(共有経済)の市場規模は、今後さらに需要が増えると予測されている。
医療や介護を取り巻く環境においては、医療費削減に向けた政策(診療報酬改定や病床削減等)の影響にあわせて、少子高齢化による慢性的な人材不足により、安定的な医療や介護サービスが提供できない状況が少なからず地方で発生している。具体的には、専門スキルや資格を持つ医療従事者の取り合い、それに伴う人件費の高騰、医療関連サービス企業の撤退など、様々なマイナス要因が、医療機関や介護施設の経営を圧迫している。
そのような状況下、地域住民に対して、安心で安全な医療や介護福祉サービスを提供するために、限られた資源(リソース)を最大限に活用・共有しながら、「地域包括ケアシステム」を構築することが強く求められている。その中でも「シェアリングエコノミー」+「医療(ヘルスケア)ビジネス」という考え方が注目されている。
本セッションでは、海外事例や国内での取組状況を紹介しながら、限られた医療資源を地域で共有する仕組み作りについて考える。
座長
田中  剛 (広島県 健康福祉局 / 広島大学大学院医学系研究科)
長浜 宗敏 (沖縄県立八重山病院 経営課)
演者
長浜 宗敏 (沖縄県立八重山病院 経営課)
早川 理恵 (鹿児島県大和村保健福祉課 / 地域包括支援センター / 大和診療所)
伊藤俊一郎 (株式会社AGREE)

SY17(シンポジウム)

「臨床工学技士との協働、新しい医療安全の道を拓く」

11月30日(土)9:10~10:40 第6会場(Room C-2)

企画概要
病院における医療機器のマネジメント、安全管理対策の重要性が増加てきている。医療機器に関する安全管理責任者の役割はどのようなもので、医療機器を扱う部署の役割や実践の取り組みは実際にどのように行われているのか、臨床工学技士、看護師、医師などの多職種の連携はどうなっているのか、医療安全管理部を中心として医療機器に関する安全管理体制はどのように運営されているのかについて、全国の取り組みの中から明らかにしていきたい。病院の機能や規模にもよるが、医療機器を扱う部門と医療安全管理部との棲み分けと協働、医療機器の一元管理方法、夜間・休日・故障時の対応の仕組み、定期的な日常点検や医療機器の精度管理、医療機器の統一化や取り扱いの標準化に関すること、医療機器を使用する多職種の職員や臨床工学技士の教育や研修の実践について、医療機器の選定や購入に関する取り組みを知り、明日からでもすぐに現場に導入して、実践できるような発表内容を期待する。1番目の演者は、全体的な医療機器のマネジメントに関する総論的なこと、人を育てる、教育、実践、評価やアウトカムについて、概説する。2番目の演者は、医療機器に関する現場での取り組み、医療機器に関するインシデント、ヒヤリハット、困った事例・あるあるなど、医療機器の安全管理に関する現場での取り組み実践について、発表する。
3番目の演者は、臨床工学技士であり、人工呼吸管理を主体業務にされ、Teamsteppsの構築においてチーム医療の充実と安全管理について具体的な成果を上げており、病院の医療安全管理部と臨床現場をつないで、連携、安全の実務をやっている方からの発表内容、チャンピオンデータではなく、限られた制約の中で、うまく工夫してやっていて、機能を発揮して、明日から役立ちそうな取り組みを想定している。4番目の演者は、医師で、救急・集中治療センター集中治療部長で、実際に医療機器安全管理の実務も行い、臨床工学技士や看護師や医師をまとめてチームで活動を行っている医師であり、多職種の連携、指示出し指示受けなど、実務的な活動でまとめる。5番目の演者は、公募から採択し、病院の医療安全管理室に兼務している臨床工学技士であり、医療機器安全管理責任者として実際に関わっており、「臨床工学技士として経験した医療安全業務」をまとめて発表する。
当シンポジウムは、参加者として、臨床工学技士、看護師、医師の多職種に向ける内容にし、臨床工学技士との協働がより一層充実して、新しい医療安全の道を拓くような、面白く、わくわくするような、明日からすぐに実践できるような、とても役立つシンポジウムをめざしている。
座長
綾部 貴典 (宮崎大学医学部附属病院 医療安全管理部)
吉田  靖 (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 先進臨床工学共同研究講座)
演者
吉田  靖 (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 先進臨床工学共同研究講座)
青木 郁香 (公益社団法人日本臨床工学技士会 事務局 /
公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所)
石井 宣大 (東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター 臨床工学部)
安宅 一晃 (奈良県立総合医療センター 集中治療部)
畔柳 信吾 (公立西知多総合病院 臨床工学科 / 公立西知多総合病院 医療安全管理室)

SY18(パネルディスカッション)

「医療現場のコミュニケーションデザイン~演劇の知見を活用して~」

11月30日(土)14:20~15:50 第6会場(Room C-2)

企画概要
【趣旨】
医療の質と安全を高めるために、個々の医療者の知識や技術が必要なのは言うまでもありませんが、同等、もしくはそれ以上に重要なのがコミュニケーションです。一言にコミュニケーションと言っても、疾病や薬の副作用等について説明する患者や患者家族とのコミュニケーション、医療事故を発生させないための日常業務における医療者同士の情報共有、さらに、医療事故が起きてしまった場合の情報共有や公への説明のような緊急のコミュニケーションなどさまざまな場面があります。また、ICTによる情報共有のコミュニケーション、対面での動的なコミュニケーションといった違いもあります。
医療者には、さまざまな場面に応じた適切なコミュニケーションが求められていますが、「きちんとコミュニケーションをとる」ことは実際には非常に難しい問題です。どのような情報共有の手法を選択するか、どの程度の情報を伝えるべきか、どのように情報を伝えるべきか、日々葛藤されていることと思います。疾病の内容や手術のリスクについて、患者や患者家族にあらゆる情報をすべて伝えるべきかというと、そういう訳でもありません。また、疾病が進行した場合のネガティブな情報を伝えるか、疾病が治った場合のポジティブな情報を伝えるかも患者の行動に影響を与えます。医療現場では常に動的な判断が求められているのです。
適切な動的判断を下せるようになるためには、一定以上の経験と同時に、経験を振り返り、自分や他者の考えや感情をふまえて分析することが必要です。そこで効果的なのが、演劇創作やロールプレイの手法を用いることです。本セッションでは、医療現場のコミュニケーションデザインをテーマとして、演劇を活用することの可能性をみなさんと考えたいと思います。
【目的と内容】
医療現場におけるコミュニケーションの課題に対して演劇がどのように活用できるのか、みなさんがそれぞれの臨床現場で活かせるような知見を見つけていただくことを目的としています。芸術家の立場から医療者教育に取り組む演劇人と、医学の立場から演劇に着目して医療者教育に取り組む医療者からの実践報告を聞き、実際にその手法を体験していただいた上でみなさんとディスカッションしたいと考えています。
座長
蓮   行 (大阪大学大学院人間科学研究科 / 劇団衛星)
演者
蓮   行 (大阪大学大学院人間科学研究科 / 劇団衛星)
岡崎研太郎 (名古屋大学大学院医学系研究科 地域医療教育学講座)
徳永あゆみ (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部・糖尿病・内分泌・代謝内科)
大藪  毅 (慶應義塾大学大学院 経営管理研究科)

SY19(パネルディスカッション)【日本口腔外科学会とのジョイントセッション】

「歯科医科連携を通じた質・安全の向上」単位

11月30日(土)9:10~10:40 第7会場(Room D)

企画概要
歯科医療は歯科医科連携により、大きく変革を迎えている。この変革は歯科医師の一般病院での職務、往診における指導内容の増加、病院歯科衛生士の増加と病棟・往診での業務の増加等、業務内容や働き方に大きな変化をもたらしている。大学病院では連携の場面が増加し、医療の質の向上をめざしているが、その一方で医療安全上の新たな問題も生じつつある。一方、歯科医療の大部分は無床歯科診療所で行われており、歯科医科連携の形は病院とは大きく異なるうえに未成熟であり、多職種情報共有の仕組み作りや医療安全対策が必要とされている。
このような変化に対応すべく、学会や職種団体は情報収集と共有、そして教育についてアクションを行いつつあるが、これを歯科医療全体に如何に浸透させるかは大きな課題となる。
本シンポジウムは3部構成で行う。まず大学病院(鹿児島大学病院 杉浦)および無床歯科診療所(歯科麻酔専門医 宮本)での医科歯科連携の実情を共有する。次に学会(日本口腔外科学会 古郷)や職種団体(日本歯科医師会 三井、日本歯科衛生士会 茂木)における連携と医療の質と安全への取り組みについて現状を概説いただく。最後に、本学会理事長の長尾 能雅先生を特別パネラーとして迎え、歯科医師を含めた多職種で歯科医療の質と安全の方向性について相互討論する。
尚、本シンポジウムは日本口腔外科学会の専門医資格申請及び更新に係る認定セッションである。
座長
三井 博晶 (日本歯科医師会)
杉浦  剛 (鹿児島大学病院 口腔外科 / 医療安全管理部)
特別パネラー
長尾 能雅 (名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 /
医療の質・安全学会)
演者
杉浦  剛 (鹿児島大学病院 口腔外科 / 医療安全管理部)
宮本 智行 (おおのり歯科医院)
古郷 幹彦 (大阪大学大学院歯学研究科 口腔外科学第一教室)
茂木 美保 (公益社団法人 日本歯科衛生士会)

SY20(パネルディスカッション)

「オリムピック・パラリンピックだ!万博だ!
大混雑の外国人参加巨大イベント開催期間の医療体制を整えよう」

11月30日(土)14:20~15:50 第7会場(Room D)

企画概要
わが国では2003年にビジット・ジャパン・キャンペーンを立ち上げ、国を挙げての観光振興に取り組んでいる。2014年頃からはアウトバウンド(海外へ出かける日本人)よりもインバウンド(日本を訪れる外国人)が上回り、外国人の長期滞在者も増えている。さらに、2020年には東京でオリムピック・パラリンピックが開催され、2025年には大阪で万国博覧会の開催が決定した。今後、わが国は海外からの注目を浴び一層の訪日外国人の増加が予測され、外国人への対応は観光にかかわる業種のみが取り組む問題ではなく、我々医療者も対応を求められる時代が到来している。巨大イベント開催時には「渋滞」が必発である。しかも人種や目的が多様化・複雑化した「渋滞」の発生が予測される。「渋滞」は人やモノが流れる場所の至る所で生じうるもので、その「渋滞」が大災害の発生源や感染症の拡散源になりうる可能性がある。我々医療者は単なる外国語対応のみでなく、異国で不具合を抱えたものに対する経済較差・医薬品使用・輸入感染症などの幅広い配慮と知識を備えたうえで、「渋滞」=「群衆」に潜む危険を予知し万全の態勢を整える必要がある。
このシンポジウムでは、わが国の「渋滞学」の第一人者に心理学や経済学など様々な学問を融合した「渋滞学」を概説いただき「起きなくてもいい渋滞の回避」や、「どうしても起きてしまう渋滞の軽減」などの対策の理解を深めたい。医療の側面からは、多くの外国人が訪問する、わが国の最大の観光都市である「京都」が抱えるインバウンドに対応する医療問題や、実際に海外在住・渡航中の医療支援を必要としたときのネットワーク等について概説をいただき、現在の日本で医療の従事する者が直面している「外国人」「巨大イベント」をキーワードとした大きな課題を明確化し、備えるべき知識・モノ・覚悟について参加者と討論したい。
座長
中村 京太 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 医療安全管理学)
高橋 敬子 (兵庫医科大学 医療クオリティマネジメント学)
演者
西成 活裕 (東京大学 先端科学技術研究センター)
高階謙一郎 (京都府医師会 / 京都第一赤十字病院 救命救急センター)
葵  佳宏 (インターナショナルSOSジャパン)

SY21(シンポジウム)

「世界患者安全の日が制定されるまでの変遷と今後の展望」

11月30日(土)9:40~10:40 第8会場(Room E)

企画概要
9月17日を世界患者安全の日(以下、WPSD)に定めることを含めた「患者安全グローバルアクション」が、2019年5月の世界保健機構(WHO)総会で採択された。WPSDは「患者安全に対する意識を世界的に高め、ステークホルダーを巻き込み、この取組を発展・浸透させ、UHCやSDGsを達成するために患者の安全が中心にあるという考えを広め、避けうる死を根絶し、医療におけるリスクを管理するための仕組みを世界的な連携をしつつ、達成していこうとするもの」であるが、採択後に時間が経過しておらず、関係者への浸透も十分とはいえないので、このセッションを通して、WPSDへの理解を深めていきたい。
ドイツ語圏の各国(ドイツ、オーストリア、スイスなど)では以前から9月17日を国際患者安全の日として患者安全に関する集会を開催していたが、世界的なものへと広がったのは2017年にドイツのボンで開催された第2回閣僚級世界患者安全サミット(以下、サミット)において9月17日をWPSDとして定める事が提案され全会の賛同を得た後、2018年に東京で開催された第3回サミットにおいてWPSDを定めることを含めた東京宣言が取りまとめられたことにも依る。
本セッションは「WPSDが制定されるまでの経緯」、「行われたイベントや取組」、「今後の展望について」の3部構成で行う。まずは東京サミットのサマライズも含めて、WPSDが制定されるまでの経緯について振り返りたい。次に、本年6月にジュネーブで行われたWPSD consultative meetingで、スローガンは「Speak up for patitent safety」でテーマカラーは黄色と決めれたが、この決定事項を踏まえたWPSDに関するイベントや取組みについて紹介する。最後に、日本では11月25日を含む1週間を医療安全推進週間とすることが2001年に制定されているが、WPSDと医療安全推進週間との関わり方も含めて、WPSDが今後どのような役割を果たしていくかについて考えていきたい。
座長
後   信 (九州大学病院 医療安全管理部)
演者
中川  慧 (大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学)
種田憲一郎 (国立保健医療科学院)
赤澤 仁司 (厚生労働省 医政局総務課 医療安全推進室)

学会委員会・ワーキンググループ企画(WG)

WG1(シンポジウム)

「事例に学ぶ:現場の事例は共有されているか、事故調査の結果は共有されているか、
再発防止に活かされているか」

11月29日(金)14:00~15:00 第7会場(Room D)

企画概要
事故調査に投入されることになる資源は決して小さくありません。資源の問題だけではありません。事故調査は、当事者・関係者の間にさまざまな思いも引き起こします。多くの課題を抱えながら、それでもいま現場は、誠実に、そして真摯に、事故調査に取り組んでいます。それだけの資源を投入し、さまざまな思いのなかで行われる事故調査だからこそ、事故調査は再発防止に活かされていかなければなりませんが、事故調査は本当に再発防止に活かされているでしょうか。そもそも事故事例は共有されているでしょうか。そうした問題意識から、教訓化委員会が発足し、学術集会で事故事例を共有し再発防止に活かしていくための場を作っていただくようになり、今年で6回目となります。第13回学術大会では、「画像診断報告書の確認不足、その現状、要因、対策」について、合同セッションを組んでいただき、医療者側、患者側、電子カルテベンダー側の観点から論じることができました。
今年は、京都大学病院から、2011年に発生した血液浄化器取り違えによる患者死亡事例について、事故後の一連の対策について発表していただきます。事故公表を契機に、学術・職能団体及び関係業界団体等が再発防止策を検討されました。外観上酷似し、形状が全て共通であるために、血液ポートおよび透析液ポート(Dポート)を取り違えても、回路を組み立てることが可能であったという事故背景要因に対し、フール・プルーフの観点から医療機器の改良につなげようと努力がなされてきました。危機感を共有した職能団体・関係学会や医療機器メーカーが、事故の再発防止を目標に、協働することができたということは、事故調査の理念にもつながります。
また、10年間以上にわたり、毎年、医療安全誓いの日(メモリアルデー)として、講演会を開催してきた東京医科大学病院の取組みを報告していただきます。医療安全文化を根付かせるために果たしてきた役割について考えたいと思います。
本学会は、医療事故調査制度の開始にともない、医療事故調査制度関連WGを発足し、教訓化委員会とともに、学会として、支援団体としての医療機関からの事故調査委員会への委員の推薦依頼や協力学会としてのセンター調査への委員の推薦依頼に対応してきました。本セッションでは、「事故調査と医療事故調査制度における本学会の支援・協力の現状と課題」について報告するとともに、教訓化委員会と医療事故調査制度関連WGがこれまでに果たしてきた役割と今後のあり方についても報告させていただきます。
座長
鮎澤 純子 (九州大学大学院医学研究院 医療経営・管理学講座)
松村 由美 (京都大学医学部附属病院 医療安全管理部)
演者
鮎澤 純子 (九州大学大学院医学研究院 医療経営・管理学講座)
松村 由美 (京都大学医学部附属病院 医療安全管理部)
浦松 雅史 (東京医科大学 医療の質・安全管理学分野)

WG2(シンポジウム)

「患者・市民とともに医療安全を考える ~患者と情報を共有する工夫」

11月29日(金)17:00~18:30 第8会場(Room E)

企画概要
患者・市民と医療者が共に安全な医療を創っていくためには、患者・市民にとって必要な情報を分かりやすく提供し、両者が医療や医療安全についてのメンタルモデルを共有することが必要である。しかし、多くの医療者が経験しているように、患者・市民に情報を伝えることにはさまざまな壁がある。情報提供のための体制を作るともに、各種の媒体の活用、患者の状況に合わせた細やかな工夫、柔軟な対応が必要と考えられる。現場での明日からの取り組みの参考にしていただける実践例を紹介するとともに今後の課題を検討する。
加齢に伴い嚥下機能が低下することで、誤嚥や窒息のように生命を脅かすことにつながる。そこで、さいたま市立病院では、食事を安全に摂るための多職種の医療者の取り組みと、患者・家族に嚥下状況を理解していただくための工夫として「入院日誌」(医療安全全国共同行動が印刷用データを提供)の活用を始めている。この取り組みについて、野々村ゆかり氏よりその具体的な方法や患者の声など紹介していただく。
日本語の理解が難しい患者への対応は、多くの医療機関での医療安全上の喫緊の課題と考えられる。聖隷三方ヶ原病院では、20年前から職員の通訳業務を非常勤一名から開始し、現在常勤2名で入院と外来患者に対応している。ブラジル国籍の患者が急増し、病院内で言語の問題が度々発生したことや、院外からの通訳の人がいても、医学的な説明が正確に伝わっているのか?など医療者側として不安を抱えた診療となるため、それらの問題解決を目的に導入した。通訳が病院理念を理解し、医療チームの一員として存在することで医療の質と安全に大きく寄与していることについて、医療相談室室長の笹ケ瀬容子氏よりご発表いただく。
医療の質・安全学会パートナーシッププログラム委員会「サポータ会議」では、患者となる前の市民との情報共有について検討してきた。今年5月に東京都と静岡県の看護協会による看護の日のイベントに初めて出展し、市民に直接医療安全に関する情報提供をするとともに、市民の医療安全に関する声を聴くことができた。また、患者に向けた「検査結果を聞きましょう」のポスターを作成し、医療安全全国共同行動のホームページを通して、医療機関や市民への提供を始めている。これらの活動の概要をサポータ会議メンバーの日下部啓子氏より報告いただく。
また、看護の日のイベントで行ったアンケートから、事故防止に向けて自ら行動したり医療者と共に確認し合うことなどを心掛けている市民もいることが分かった。アンケートの自由記載の分析結果について、サポータ会議メンバーの神谷美紀子氏より報告いただく。これらの市民の声から今後の患者・市民参加促進のための取り組みの展開を考えたい。 最後に、長年、記者として医療や医療安全について取材してきた前村聡氏(日本経済新聞社)から、患者となる前の段階から医療に関心をもってもらい、一般市民と情報を共有するために、「地域医療計画」を活用した患者・市民参画のあり方と、受け手の視点に立った情報の伝え方などを紹介していただき、電子媒体などの活用可能性についてもお話しいただく。
座長
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理部)
山内 桂子 (医療の質・安全学会パートナーシッププログラム委員会)
演者
野々村ゆかり (さいたま市立病院)
笹ヶ瀬容子 (聖隷三方原病院)
日下部啓子 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)
神谷美紀子 (摂南大学 看護学部 看護学科)
前村  聡 (日本経済新聞社)

WG3(シンポジウム)

「医療倫理と臨床研究法の動向」単位

11月30日(土)8:00~9:30 第3会場(Room B-1)

企画概要
2013年に発覚したいわゆる「ディオバン事件」を契機に、臨床研究法が研究不正防止を主な目的として公布・施行された。その役目が一部果たされているように見えながらも、国民の保健衛生の向上(臨床研究法第一条)という法の本来の目的の観点からは、付随する施行規則および一連のQ&Aとともに、過剰規制による臨床研究の衰退の懸念の声が研究現場から数多くあげられており、憂慮すべき状況にある。日本医学会連合でも検討会が本年6月より立ち上げられ、検討が続けられている。課題は多岐にわたるが主たる論点だけでも以下のとおり。
1.臨床研究法における観察研究の位置づけ
臨床研究法第二条によれば、日常診療の範囲で行われる治療薬を用いた観察研究は、臨床研究法の適応を受けないことは明らかである。しかし臨床研究法施行規則第2条において、不適切にも「適応除外としての観察研究」を定義した。このため、本定義に当てはまらない多くの観察研究が介入研究として同法の対象と見做され、その結果、多数の観察研究が厳しい規制を受けることとなった。
2.がん、小児の分野で大きな問題となっている「適応外」の問題
がんの分野は、適応自体は存在し、かつ日常診療で使われている範囲の用法・用量が、「添付文書と異なる」として「特定臨床研究」に含まれるとされている。患者のニーズと安全の視点から、例えば再審査期間を過ぎた薬剤を対象外とすることが考えられる。小児科では薬剤の多くは用量用法が定まっておらず、承認された量と異なる用法用量決定のための研究は、特定臨床研究と見なされる。しかし、コストや人的資源の点で特定臨床研究を実施することは現実には著しく困難であり、法の趣旨とは逆に小児医療の向上を妨げる結果を生む様相が明確になってきた。保険診療における医薬品の取り扱いについて行ったいわゆる55年通知に倣えば、もっと柔軟で現実的な患者のニーズにあった取扱いが可能になるはずである。
3.事務負担の軽減
法の対象となる研究の範囲が広くなりすぎたこともあり、倫理審査やCOIの管理について、現実離れした煩雑さと費用が要求されている。喫緊の重要な課題は、届け出・変更に伴う事務量軽減とCOI管理の施設負担軽減の二つである。
座長
永井 良三 (自治医科大学)
児玉 安司 (新星総合法律事務所 / 自治医科大学 / 一橋大学法科大学院 客員教授)
演者
児玉 安司 (新星総合法律事務所 / 自治医科大学 / 一橋大学法科大学院 客員教授)
永井 良三 (自治医科大学)
山本 晴子 (国立循環器病研究センター)
伯野 春彦 (厚生労働省 医政局研究開発振興課)
大橋 靖雄 (中央大学)

WG4(パネルディスカッション)

「救急外来における医療行為の選択には何が影響するのか?
~令和時代の医療の質と安全におけるChoosing Wiselyの役割~」

11月30日(土)14:20~15:50 第5会場(Room C-1)

企画概要
【趣旨】
Choosing Wisely(CW)とは2012年に北米で始まった、過剰ないしは不適切な医療資源の使用について医療界と社会とを啓発するキャンペーンである。医療者と患者の対話による共同意思決定を促すことで、EBMの診療での実践を目指している。日本においては2015年医療の質・安全学会において「過剰医療検証とChoosing Wiselyキャンペーン」ワーキンググループが発足したのを皮切りに、2016年にChoosing Wisely Japan(CWJ)が設立されるなど、問題意識を感じた医療者がCWの啓発と広報に取り組んだ結果、多くの医療者に知られるようになりつつある。また多くのメディアでも取り上げられ、一般社会にも少しずつその考え方が浸透しつつある。
しかし実際の医療現場は多数の要因が絡み合った複雑なものであり、CWの掲げる理想が分かっていてもそれを診療に実践できる医療者は多くないのではないだろうか。例えば、明らかに医学的にはCT検査の不要な一次性頭痛症の症例であっても、脳卒中を専門とする自分より立場が上の医師からCT検査を勧められた際に、CTを撮影せずにChoosing Wiselyを実践できる医療者はどれだけいるであろうか?
そうした時代の流れの中で、我々研修医、若手医師や医学生も、次第に自らの置かれた日々の医療現場における行動の選択に、素朴な疑問点や理想との相違点を見いだすようになった。本セッションでは、「研修医・医学生が若手ならではの目線で疑問点や相違点を感じたCWにまつわる25のケースレポート」から浮かびあがった論点を参加者と共有する。特に若手医師の関与することの多い救急現場の診療をテーマとして、参加者各々の立場から医療行為の選択に関する決定因子を探ることを通じて、日常診療の振り返りやそれによる医療者と患者の対話を促し、ひいては、医療の質及び患者安全性の向上を目指す。
【内容と目的】
日々の診療におけるCWに沿った医療行為の選択に自信がない全ての医療者(と、研修や実習を通じてCWに疑問を感じている医学生や研修医)を対象とし、(CWの概要・目的を共有した上で、)救急外来における医療行為の選択の背景にどんな因子があるか世代・職種を超えたグループディスカッションを行ってもらう。インターネット上の双方向ツールを使用しリアルタイムに参加者の意見を集計・分析することで、議論の活発化と参加者の日常診療の振り返りの促進を図る。救急現場の診療に関わる研修医を中心に、指導医、医学生、その他医療スタッフ各々の立場から医療行為の選択の背景にある因子について検討し共有することで、参加者及びチームの医療の質の向上と医療安全に繋がる新しい視点を見出すことを目的とする。
座長
小泉 俊三 (東光会 七条診療所)
梶  有貴 (板橋中央病院)
演者
礒田  翔 (名古屋第二赤十字病院 総合内科)
大塚 勇輝 (岡山大学病院 卒後臨床研修センター)
加瀬 早織 (東京医科歯科大学医学部附属病院 総合教育研修センター /
東京都立墨東病院)
池尻 達紀 (杉田玄白記念公立小浜病院)
水田 貴大 (堺市立総合医療センター)
中原  舜 (医療法人おもと会 大浜第一病院)

WG5(パネルディスカッション)

「施設の外から得られる情報を有効活用して医療機関内の安全確保を図る
~情報の発信側と受信側がより連携するために~」

11月30日(土)13:10~14:40 第10会場(さくら)

企画概要
医療安全に関する情報は、日本医療機能評価機構や医薬品医療機器総合機構(PMDA)、日本医療安全調査機構等の機関から公表されている。警鐘事例や繰り返し発生している医療事故・インシデント事例については、類似した情報が複数の機関から提供されている。しかしながら、これらの情報が医療機関において有効に活用されず、類似・再発事故が発生し続けている現状がある。
医療の質・安全学会のネットワーク委員会では、このことを課題と捉え、全国の医療機関の医療安全管理者等が集まる医療安全管理者ネットワーク会議のテーマとして、2019年に2回の会議を開催した。施設外から入手可能な情報の種類についての知識を深めるとともに、得られた情報を医療機関内で活用して安全確保・再発防止策を推進するための具体的な仕組みづくりについて検討した。
この企画においては、医療安全に関する情報の発信側と受信側の両面から演者をお迎えして情報提供いただき、討論を行いたい。
情報発信側として、日本医療機能評価機構から坂口美佐氏、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から小池和央氏、日本医療安全調査機構から木村壮介氏より、それぞれの機関から発信している情報の種類、そして医療機関に期待する活用方法についてお話しいただく。中でも、再発防止策の情報提供について、特に焦点をあてていただく。
情報の受信側としては、医療機関における情報活用の取り組みと情報発信側への要望について、医療機関の医療安全管理者である森田幸子氏から情報提供いただき、医療安全管理者ネットワーク会議での検討内容を寺井から報告する。
ディスカッションでは、情報の送り手側と受け手側がより連携し、患者の安全確保と事故再発防止のために情報を有効活用する方策について、意見交換を行いたい。
座長
嶋森 好子 (岩手医科大学 看護学部)
細川 洋平 (近江八幡市立総合医療センター 病理診断科)
演者
坂口 美佐 (公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部)
小池 和央 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構 安全性情報・企画管理部 リスクコミュニケーション推進課 医療安全情報室)
木村 壯介 (日本医療安全調査機構)
森田 幸子 (岡山大学病院 医療安全管理部)
寺井美峰子 (名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 /
医療の質・安全学会 ネットワーク委員会)

企画提案型シンポジウム・パネルディスカッション(KG)

KS1(シンポジウム)

「介護現場の安全管理」

11月29日(金)15:10~16:40 第2会場(Room A)

企画概要
厚生労働省は3月14日の第17回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会で、介護施設の安全管理体制や発生した事故、その報告方法などについて調べた初の全国調査の結果(速報値)を公表した。2017年度の1年間に転倒や誤嚥などの事故で亡くなった入所者が、特別養護老人ホームと介護老人保健施設で少なくとも1547人いたなど、今回の調査結果から、介護施設の直面する医療リスクや介護事故及びヒヤリハットの概念のばらつきや行政への報告の意義づけ、また、災害時の事業継続計画 BCP の策定状況など課題が明らかとなった。
一方、有識者会議では、「年をとって体が衰えるとどうしても転倒や誤嚥は起きてしまう。どこまでを事故として扱うべきか、という判断は非常に難しい」。「在宅でどれくらいの事故が起きているのか。在宅との比較をせずに施設の事故だけを取り上げるのは、誤解されないか」。また、「数字だけが1人歩きすると現場が萎縮してしまう。リスクがあることはなるべくやらせない、という空気が支配しないよう配慮すべき。入所者の尊厳を重視したケアの実践が難しくなる」などの意見も出た。
このような状況は、医療の質と安全をめぐる諸問題が、介護分野にも同様な事象であり、新しい医療・介護のあり方、システムとして患者・入所者本位の医療・介護の質と安全を保証するしくみを創り出す必要があるといえる。 入所者・在宅介護者が安全で安心した生活を送れるような施設の体制や職員に求められる知識・研修など、介護現場の安全について考える。
本シンポジウムでは、平成30 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に調査委員長として携わられた福井小紀子氏より、本調査の結果について、概説を賜る。
在宅医療、介護施設の現場のアクシデントやインシデントについて報告を行う。さらに、施設の安全管理体制、研修について、また、全国老人保健施設協会の安全推進事業について報告を行うものである。
座長
宇田  淳 (滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科)
演者
福井小紀子 (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻)
江原 一雅 (滋慶医療科学大学院大学 / まえさこ医院)
亀井  章 (社会福祉法人青野ヶ原福祉会特別養護老人ホーム青都荘)
鶴ケ谷理子 (株式会社やさしい手 本社総合サポート部看護グループ)
光山  誠 (医療法人敬英会 / 公益社団法人全国老人保健施設協会 /
公益社団法人大阪介護老人保健施設協会 / 社会福祉法人敬英福祉会)

KS2(パネルディスカッション)

「模擬患者をうまく使ってみよう!
~多職種医療者と患者を繋げるコミュニケーション教育~」

11月29日(金)8:50~10:20 第4会場(Room B-2)

企画概要
<趣旨>
模擬患者(Simulated Patient & Standardized Patient:以下SP)参加型の教育は、1960年代に米国で医学生に対する教育から始まったとされる。日本では、医学部における共用試験(OSCE)が正式導入された頃より、本格的に模擬患者の需要が高まった。医学部のみではなく、さまざまな医療者の卒前、卒後教育で導入されている。また、患者の医療に対する意識は高まり、医療者に対する安全で質の高い医療を提供してほしいという要望も高まる昨今、卒前、卒後を問わず質の高い医療者教育が求められている。
安全が求められる医療の現場では失敗が重大な事故に繋がってしまう。だからこそ、学習者にとってSP参加型教育は安全な環境で何度でも繰り返し学ぶことができる学習方法である。トレーニングを受けたSPは、教育目的を理解した上でSPとしての役割を認識し、目的に応じて患者役を演じ、患者の視点でフィードバックを行う。SPから受けるフィードバックは、患者の「生の声」として学習者の心に響き、多くのことを気づかせる。SPは学習者に多くのことを学ばせてくれるまさに「生きた教材」であり、医療者教育においては重要な役割を果たすといえる。またSPを用いた教育は医療者のみに提供されるものでなく、医療機関に従事するものであれば患者に接し対応する機会がある。今回のパネルディスカッションでは、医療者のみでなく医療施設に従事する事務職や、2017年に新たな国家資格として定められた公認心理師におけるSPを用いた学習の必要性についても言及したい。以下のような構成での講演を行い、後に医療者におけるコミュニケーション教育の現状と課題、展望について参加者とともにディスカッションを行う。
1. SPを用いた教育の提供が医療者にもたらす効果の講演(医療者教育にかかわるSPからの講演
2. 卒前、卒後、OJT教育に携わる医療者からの講演
3. 医療での公認心理師の役割とその育成に関する講演
4. 病院事務員に対するSPを用いた教育に関する講演と実際として、ロールプレイ実演
<目的>
ディスカッションを通して、医療者のコミュニケーション教育における現状と課題を明確にし、医療者教育におけるSP参加型教育の必要性、活用方法、教育効果、課題、今後の展望などについて共有する場とし、参加者自身が自施設での医療および医療者教育の質について見直す機会とする。
座長
丸山美津子 (兵庫医科大学病院 看護部)
小野 久江 (関西学院大学 文学部 総合心理科学科)
演者
木下 佳郁 (株式会社 HASSM)
比留間ゆき乃 (兵庫医科大学病院 看護部)
小野 久江 (関西学院大学 文学部 総合心理科学科)
森下 存子 (兵庫医科大学病院 管理課)

KS3(パネルディスカッション)

「栄養管理部門と医療の質・安全管理部門の連携~レジリエントな組織に向けて」

11月29日(金)14:00~15:00 第4会場(Room B-2)

企画概要
栄養・食生活は、生命を維持し、子供の健やかな成長と、人々が健康で幸福な生活を送るために欠くことのできない営みである1)。身体的な健康という点からは、栄養状態を適正に保つために必要な栄養素等を摂取することが求められる一方、社会的、文化的な営みとしての側面もあり、人々の生活の質(QOL)との関わりも深い1)。
このような背景から、医療機関における栄養管理部門に期待される役割とその活躍の場は大きい。具体的には、疾病治療の一環としての食餌療法に始まり、嗜好の充足や療養上の楽しみなどの患者満足への貢献、食中毒の防止やアレルギー、異物混入の防止など食そのものの安全、災害時の給食など、平時から有事まで、1日も途切れることがない営みが求められている。
一方で、疾病治療の細分化に伴う提供食種の増加、超高齢社会到来に伴う摂食機能障害などへの対応、アレルギー対応の厳密化と対応食材の拡大、嗜好の多様化と患者満足の閾値上昇、衛生管理の徹底など、医療の質・安全に関わる複雑で困難な問題が、避けがたく存在している現状がある。
加えて、直営と委託、管理栄養士と調理師など、組織マネジメントにおける困難もあり、栄養管理部門の質と安全の向上は、組織の大小を問わず、今日的課題であると考えられる。
本パネルディスカッションでは、これらの複雑で、時にカオスの現実に直面しながら、日々、奮闘している栄養管理部門の様々な立場の関係者にお集まり頂き、レリジエントな組織を目指した医療の質・安全管理部門との連携を模索していく。この検討の場は、栄養管理部門への理解を深める機会となり、医療の質・安全管理部門に求められる連携や協働のあり方を考える機会となり、医療機関における栄養・食生活にまつわるレリジエンスの探求に資することが期待される。
参照1)厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html)
座長
荒神 裕之 (山梨大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)
原  純也 (武蔵野赤十字病院 栄養科)
演者
小林 貴子 (山梨大学医学部附属病院)
原  純也 (武蔵野赤十字病院 栄養科)
松崎 文孝 (株式会社LEOC 急性期食事医療開発本部)
伴野 広幸 (名古屋第一赤十字病院 医療技術部 栄養課)

KS4(シンポジウム)

「内視鏡診療における鎮静のあり方と患者安全」

11月29日(金)14:00~15:00 第5会場(Room C-1)

企画概要
内視鏡診療における鎮静は、安全かつ低負荷で内視鏡的処置/手術を実施するために不可欠な処置であるが、呼吸抑制に直結するリスクが高いことから、安全の確保は重要であり、いくつかのガイドラインも提唱されている。しかしながら、多くの施設では、人の問題(人員不足)、施設の問題(観察室やモニター機器の不足)などからガイドラインの遵守は難しい状況にある。一方、内視鏡診療の進化は日進月歩であり、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)等の出現により、かつては外科手術の適応であった病態の多くが内視鏡で治療可能となった。また、EUS(超音波内視鏡)などは、当初は入院で行われていたが、現在は、多くの施設で外来のルーチン検査として施行されている。これらの処置には深くて長時間に及ぶ鎮静、あるいは、患者を帰宅させることを前提として比較的深い鎮静が求められている。また、短時間で終了する通常の上部消化管内視鏡検査であっても鎮静を希望する患者が増加している。さらに、患者背景として高齢者や全身状態のよくない患者の増加がある。以上より、内視鏡診療における鎮静の必要性が高くなっているにもかかわらず、リスクは上昇し、安全性の確保は十分とはいえないのがわが国の多くの施設の実態であると推測される。
ここではわれわれが国立大学病院に対して行った内視鏡診療における鎮静の実態調査の結果に加え、先進的な取り組みをしている施設の担当医師、内視鏡施行医師、麻酔科医師、そして、弁護士からの意見・提言を踏まえ、内視鏡診療における患者安全の確保と鎮静のあり方について議論を深めたい。
座長
兼児 敏浩 (三重大学医学部附属病院 医療安全管理部)
北村 温美 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部)
演者
鈴木  明 (浜松医科大学医学部附属病院 医療安全管理室)
池田 雅枝 (筑波大学附属病院 臨床医療管理部)
藤城 光弘 (名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学)
羽場 政法 (ひだか病院 麻酔科)
横山 貴之 (増田・横山法律事務所)

KS5(シンポジウム)

「医療に役立つ人工知能(AI)開発の現状と課題。
AIで医療安全はどのように変わっていくか」

11月29日(金)15:10~16:40 第5会場(Room C-1)

企画概要
人工知能(artificial intelligence: AI)が、将棋・囲碁のトップ棋士との対戦で圧勝したことを契機に、近年、AI技術が俄然注目されています。機械であるAIは、24時間休むことなく学習・処理し続け、人間をはるかに上回るスピードと正確さで業務をこなすことから、ヒューマンエラーを減らし生産性を向上させることが明らかになっています。とくに最新の深層学習(deep learning)技術開発により、AI構築後も「自ら学習」を継続することで、事前に想定された事態を超えて様々な場面に対応することも可能となり、オフィス業務の効率化や近未来の自動運転実現など具体的な活用事例も増えてきています。
医療分野においても、AIが音声・画像識別、文字認識に優れた特性を発揮することを応用して、がんの診断補助、類似症例の文献検索や画像診断において実用化されつつあります。また、医療安全分野においても、医療スタッフの長時間労働解消の切り札と期待され、さらには文字認識を活用した膨大なオカレンス事案の分類と解析、発生予測の他、診断支援や類似事例の抽出にも応用が期待されています。しかし、医療現場でAIの導入や開発を目指す場合、どのように取り組めば良いのか、どのような分野へ応用可能なのか、工学研究者との連携が必要なのかなど、多くの医療従事者にはよく分からないのが現状です。
そこで、本学術集会の機会を捉え、現在、医療分野で人工知能の開発に精力的に取り組んでいる、工学系並びに医学系研究者の講演を通して、医療分野におけるAI研究の現状と問題点を把握すると共に、「医療の質と安全の向上」に向けてAIを活用していく上で必要となる医工連携のパートナー作りに先鞭を付けたいと考え、本シンポジウムを企画しました。
具体的には、まず、大阪大学・木戸尚治教授(医学)に、「医療分野におけるAI活用の可能性」、東京農工大学・清水昭伸教授(工学)より、「コンピュータサイエンスを活用したコンピュータ支援診断システム(CAD)開発」の内容を含むAIの総論的な内容の2講演を賜ります。引き続き、福井大学・稲井邦博(医学:本シンポジウム企画者)が、「病理・細胞診におけるAI診断技術開発の現状と課題」、名古屋大学・森健策教授(工学)から、「AIを搭載した内視鏡診断支援システム開発の実例」、山口大学・平野靖准教授(工学)より、「AI技術を応用した、死亡時画像診断(Ai)画像からの死亡後経過時間推定」の内容を含む、各論3講演を行います。講演の中で、各演者には、それぞれの立場から、AIが、医療事故防止(予防)、医療行為の相互チェック、診療行為のクオリティ向上、医療事故分析・検証、など「医療の質や安全の向上」に関する諸問題に対して、どのように活用できるかについても情報発信していただく予定です。
各演者の講演(15分程度)または全講演終了後に、若干の質疑応答時間を設けて、フロアーの先生方からご質問していただく機会を設け、「医療の質・安全」分野で、AIを活用するために必要となる基礎知識や今後の課題について、会員各位の共有を目指したいと考えています。
座長
稲井 邦博 (福井大学医学部 病因病態医学講座分子病理学 /
福井大学医学部附属病院 医療安全管理部)
木戸 尚治 (大阪大学大学院医学系研究科 人工知能画像診断学共同研究講座)
演者
木戸 尚治 (大阪大学大学院医学系研究科 人工知能画像診断学共同研究講座)
清水 昭伸 (東京農工大学大学院 工学研究院)
稲井 邦博 (福井大学医学部 病因病態医学講座分子病理学 /
福井大学医学部附属病院 医療安全管理部)
森  健策 (名古屋大学大学院情報学研究科 / 名古屋大学情報基盤センター /
国立情報学研究所)
平野  靖 (山口大学大学院創成科学研究科)

KS6(シンポジウム)

「リハビリテーションにおけるサービスの可視化・構造化・標準化のための環境作り」

11月29日(金)17:00~18:30 第5会場(Room C-1)

企画概要
リハビリテーション(以下、リハビリ)は、疾患や怪我の予後に影響を与える重要な治療である。リハビリは、医薬品や医療機器ではなく療法士というヒトに依存する部分が大きく、定量的な指標が少ないため、サービスの標準化が十分に進んでいるとは言い難く、施設ごと、療法士ごとのばらつきが大きい。リハビリを標準化し、サービスの質・安全を保証・向上させていくエコサイクルを実現するためには、その土台として、リハビリサービスを可視化・構造化・標準化していく方法論が重要である。
東京大学・慶應義塾大学・産業医科大学といった研究機関、および臨床現場でリハビリを主要なサービスとして提供している急性期病院3施設と回復期病院3施設が協働して、リハビリサービスを可視化・構造化・標準化するための方法論の開発・実装プロジェクトを進めている。本シンポジウムでは、開発・実装を進めている一連の方法論と具体的な取り組みを紹介し、リハビリにおけるエビデンスの土台の標準化普及・促進を目指す。
まず医療サービスにおけるリハビリの位置付けと特徴を整理し、臨床知識を可視化・構造化し,標準化を支援・推進するモデルとして患者状態適応型パスシステム(Patient Condition Adaptive Path System: PCAPS)、およびリハビリ介入プロセスの標準化モデルの概要を紹介する。
これらのモデルに基づいて、具体的に可視化・構造化・標準化を進めている事例として、ST(言語聴覚士)の対象とする嚥下、言語、PT(理学療法士)・OT(作業療法士)の対象とする基本動作、作業活動に関するリハビリを取り上げ、介入プロセスの標準化と臨床現場への実装について、具体的な取り組みを紹介する。
また、標準化したサービス、およびサービス提供にかかる患者の状態やアウトカムの情報から継続的な改善を可能とする仕組みを臨床現場で実装するには、情報入力・収集手段の現場導線や臨床における意思決定プロセスを考慮した最適化、蓄積したデータの利活用を考慮した汎用的な情報流通基盤との連携を含むシステム設計、などが課題となる。
慶應義塾大学などを中心に進めてきた、生活から介護に至るあらゆる情報を効果的・効率的に統合・再構成する基盤技術と、個人の意思に基づいて流通・制御させる情報流通のための機能を有する情報流通基盤による先進的な取り組みを紹介し、リハビリにおける実装形態を整理する。
座長
井手  睦 (産業医科大学 医学部 聖マリアヘルスケアセンター)
山田  秀 (慶應義塾大学 理工学部)
演者
水流 聡子 (東京大学大学院工学系研究科)
加藤 省吾 (慶應義塾大学 理工学部)
進藤  晃 (医療法人財団利定会 大久野病院)
中島 栄子 (社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院)
前田 亮介 (聖マリアヘルスケアセンター)
矢作 尚久 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 /
東京大学大学院工学系研究科 品質・医療社会システム工学寄付講座)

KS7(シンポジウム)

「トレーサビリティ向上と医療従事者の負担軽減の両立を目指して」

11月29日(金)8:50~10:20 第6会場(Room C-2)

企画概要
医療の質・安全を向上する上で、「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」「何を」「どのように」したのか、トレーサビリティを確保することは非常に重要である。しかし、トレーサビリティを確保するために、医療従事者に追加的な作業負担を強いるようでは、更なるストレスを与えることとなり本末転倒である。医療従事者に過度な負担なくトレーサビリティを向上させる手段を検討してみると、GS1の仕組みの導入が一つの方法になると考えられる。
GS1とは、メーカー・卸・小売・医療機関といったサプライチェーンすべての当事者が共有して使用することのできる商品コードとそのバーコード表示方法を定める国際標準化団体であり、GS1バーコードの表示は、日本を含め多くの国で必須化されつつある。医薬品、医療機器の多くには、メーカーの出荷段階で世界でユニークにモノを識別することのできるGS1の商品コードのほか、ロット番号や有効期限もバーコードで表示されるようになっており、GS1バーコードをスキャンするだけで、それが「何」だったのかを記録することができる環境が整いつつあると言える。
バーコードといった自動認識技術を医療機関でも取り入れながら、「何を」を手作業で、かつ、間違いなく記録しなければならないという医療従事者のストレスを軽減することは、今後高齢化社会を迎え、労働人口が減少していく日本の医療機関にとって重要な取り組みではないだろうか。GS1の仕組みを医療機関に適応することは世界各地で行われており、日本でも、2018年度厚生労働省はそのための実証事業を実施している。
本シンポジウムでは、トレーサビリティとGS1の関係、GS1の仕組みと世界的なトレーサビリティ確保に向けた動き、昨年度厚生労働省が実施したGS1バーコード活用に関する事業の報告を行い、医療従事者の作業負担及び心理的負担の軽減と、医療の質と安全の更なる向上に向けた議論を深めたい。
座長
落合 慈之 (東京医療保健大学)
演者
落合 慈之 (東京医療保健大学)
植村 康一 (GS1ヘルスケアジャパン協議会)
田中 聖人 (京都第二赤十字病院)
中田 精三 (市立伊丹病院)

KS8(パネルディスカッション)

「地域医療安全ネットワークの現状とネットワーク間連携の可能性」

11月29日(金)8:50~10:20 第10会場(さくら)

企画概要
我が国における医療安全の水準は,国の指導とそれを受けての先進的な病院の地道な活動の結果,徐々にではあるがその歩みを進めている.一方で,2018年現在のわが国の有床病院8442のうちの多くは病床数200~300床以下の病院が占めており,200床以下の病院が69%,300床以下の病院では実に82%を占め,100床以下の病院でさえ36%を占めるというのが実情である.この規模の病院では,医療安全対策加算1,2を問わず多くの施設で医療安全管理部門は少人数で運営され,中には医療安全管理担当者が1名という施設も散見される.このような施設で,医療安全管理者が研修のため数日連続して病院を空けることは難しく,着任時の医療安全管理者研修以外遠隔地で開催される研修に参加することが難しい.また,仮に現場の医療安全管理者が先進的な情報を得たとしても,大半の病院では,医療安全管理者の交代が2-3年周期に行われることから,新しい概念を自院に取り入れ醸成する余裕がないという声も多い.地域包括ケアが謳われる今日,医療安全が特定機能病院だけで行われていれば良いわけではない以上,地域レベルで医療安全対策を中小規模病院の多職種から成る現場の目線で共有していく動きは必要であり,これこそ地域のレベルでのレジリエンスの共有ではないかと考える.一方で,地域レベルの実務レベルの医療安全ネットワークの開催の要望は全国レベルで多く耳にするものの,地元には講演できる人材が少ない,定期的に演者を招聘するには金銭的なサポートが乏しいため年1回・2回の講演会開催に留まっている,近隣の大型病院のみで行われている交換会は敷居が高い,職能団体主催の会には他職種は参加できない,運営ノウハウが分からないなどの理由で断念していると聞く.ここでは,それぞれ異なった形態で地域医療安全ネットワークを運営している,旭川医療安全ネットワーク,南信州医療安全ネットワーク,南大阪医療安全ネットワーク,大分リスクマネジャー交流会の各地域医療ネットワークの主催者に加え,医療機能評価機構の「おひとりさま医療安全応援プロジェクト」を開催している教育プログラム部会長の長谷川剛先生に登壇いただき,地域医療安全ネットワークの現状と今後の課題,全国規模のコンテンツの共有をはじめとする,地域医療安全ネットワークのネットワーク化などについて参加者も含め広く意見交換を行いたい.
座長
辰巳 陽一 (近畿大学病院 安全管理部)
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理部)
演者
辰巳 陽一 (近畿大学病院 安全管理部)
前田 章子 (旭川赤十字病院)
川上 善久 (飯田市立病院)
末吉 聖二 (別府リハビリテーションセンター 医療安全推進室)
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理部)

KS9(パネルディスカッション)

「ワンオペ(おひとりさま)医療安全管理者応援プロジェクト活動から見えてきたこと
―医療安全管理者の現状と課題―」

11月30日(土)13:10~14:10 第4会場(Room B-2)

企画概要
医療法の改正において医療安全の確保が医療機関に求められることとなった。それに伴い医療安全管理者が各医療機関に置かれるようになった。医療安全に関わる指針が作成されそれに基づいて各医療機関の創意工夫の元に医療安全管理者達はそれぞれの施設の安全確保のために努力をしてきたが、その業務実態については不明な点が多い。医療安全管理者として業務を行なっている方々からは様々な苦労があるということが多くの研修会や会合で聞かれる。医療安全に関する取り組みの発表は規模の大きい病院による優れた活動に関するものが多く、中小の病院では実施不可能なものが多い。そのことは中小病院の医療安全管理者にとってのストレスの一因ともなっている。
そこで医療機能評価機構患者安全推進協議会教育プログラム部会においては、「おひとりさま(ワンオペ)で医療安全を担う方」の応援プロジェクトを複数回開催した。医療機能評価機構の認定病院のうち患者安全推進協議会に参加している病院へ向けて広報を行い複数の地域でワークショップ形式による現場医療安全管理者が抱えている問題について意見交換会を行った。
本パネルディスカッションにおいては、(1)この応援プロジェクト前後で施行されたアンケート結果の紹介、(2)安全管理者のタスク管理の知恵の紹介、(3)プロジェクトから見えてきた安全管理者の現状と課題等を示すとともに、中小病院でおひとりさまで医療安全管理者を担っている方々の生の声を聞きながら医療安全管理者が抱える問題について明らかにしていく。
具体的な悩みとして、日常業務に関しては「時間がない」「理解がない」「協力がない」といった問題があり、業務範囲として「カルテ開示」「訴訟対応」「クレーム対応」までを担わされている医療安全管理者もいるという実態があった。病院内部での組織的な位置づけや人事管理についても病院ごとの違いは多く、医師以外が医療安全管理者を担っている場合安全管理に対しての医師の無理解が大きなストレスとなっている実態も見えてきた。
これらを踏まえて本セッションにおいては、施策を担当する行政や各医療機関の管理者に向けて現場における課題を提示しその改善のための具体的な施策を検討する。
座長
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理部)
林 知江美 (三菱京都病院)
演者
江川 美穂 (市立伊勢総合病院)
川崎 悦子 (公益財団法人日本医療機能評価機構 教育研修事業部 /
認定病院患者安全推進協議会)
島田 尚哉 (東神戸病院)
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理部)

KS10(シンポジウム)

「チーム医療のしなやかな対応 ~つながり共創する看護記録のイノベーション~」

11月30日(土)14:20~15:50 第4会場(Room B-2)

企画概要
病院の電子化は親展し,電子カルテあるいはオーダリングシステムが実装された病院が増加し,医療行為のオーダー・予約から実施入力が患者毎に一連の情報として管理され,診療報酬請求に必要とするデータファイルの加工まで,一元管理される状況となってきた.病院の診療業務管理・診療報酬請求業務管理にとって,有用な機能が強化されてきたといえる.しかしながら,患者状態を変化させるための医療介入を,患者と医療者との接点で提供されている臨床プロセスにとって必要な支援機能については,医療者らが満足できているとはいいがたい.
その要因は,臨床の複雑性にある.特に一患者に対して,多職種で提供されるチーム医療を,良質かつ効率的に実現する運用環境とシステム機能が不足している.
本シンポジウムでは,この課題解決に挑戦するため,電子カルテと連動し運用する次世代パスを導入し,まずは看護記録のイノベーションを実現することで,チーム医療を良質化・効率化しようとする病院から,その目的・戦略・実装過程・期待される効果などについて,ご講演いただき,「チーム医療のレジリアンス ~つながり共創する看護記録のイノベーション~」について,会場のみなさまと共に考えてみたい.
<病院におけるアクションリサーチ>
受け持ち患者の把握・今日の実行計画立案・看護記録が効率化・良質化できれば,時間が生まれ,患者データがそろい,医師・看護師・他コメディカルにとって,患者との接点の時間と質を高めることが可能となる.文部科研基盤A(H29-31 代表:水流)は,倫理的な配慮のもとに実施され,以下のような知見が得られてきた.
1)チーム医療に必要とする臨床判断にとって看護観察は重要である.必要とする看護観察項目を看護ナビフレームワークにしたがって,厚生労働省標準のMEDIS看護実践用語標準マスターから抽出することができる.
2)看護観察のうち医師の臨床判断にとって重要な看護観察項目を医師に選択してもらうことが可能である.
3)疾患治療の多様性を担保した適切な観察データは医師の臨床判断を助け,適切な臨床介入の選択を支援する.
4)看護師の効率的なリアルタイム入力によって,遠隔にいる医師や看護師が,今の患者状態を共有できる.
5)リアルタイム入力によって終了時には記録は完了し定時帰宅を促進する.定時帰宅により心身の疲労回復を図り,いきいきとした看護組織を構築することができる.
6)毎日変更する受持ち患者の状態把握は,これまでの経過を示す臨床プロセスと選択された継続する看護観察結果によって,短時間でできるようになる(1患者約2分30秒が目標).
7)記録が終業時に終わることで超過勤務手当支払額が減少し,病院経営に貢献する.
8)構造化看護記録はデジタルデータとなるため,医師記録としても活用され,データにもとづく医療質改善に向けたPDCAサイクルがまわりはじめる.
座長
水流 聡子 (東京大学 品質・医療社会システム工学寄付講座)
座長(総合討論司会)
若尾 文彦 (国立がん研究センター がん対策情報センター)
演者
中尾 彰宏 (東京大学大学院工学系研究科 品質・医療社会システム工学寄付講座 / ドクターズモバイル株式会社)
玉本 哲郎 (奈良県立医科大学附属病院 医療情報部)
西澤 祐吏 (国立がん研究センター東病院 大腸外科 クオリティマネジメント室)
進藤  晃 (医療法人財団利定会 大久野病院)
今村 英仁 (公益財団法人 慈愛会)

KS11(パネルディスカッション)

「学生と教員で考える未来の医療人」

11月30日(土)13:10~14:10 第5会場(Room C-1)

企画概要
医師や看護師など医療従事者は、複数の医療機関を異動することが多く、異なる安全文化の中で医療安全と質の改善を遂行していかなければならない。医療安全と質の改善に関する卒前教育は、その基盤を築くために必要性が国内外で広く認識されており、カリキュラムの提唱や改訂が重ねられている。
例えば米国では、2005年、2006年に医療系教育カリキュラムの再設計を目的としてテルライド会議が開催され、カリキュラムの作成者や評価者に加え、医学生やレジデント、患者擁護団体など多様な立場の関係者が招聘された。この会議では、医療安全教育の11項目を挙げただけでなく、各項目を何年次に学修すべきかに関しても提唱した。
本邦においては、文部科学省が策定する『医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)』で、「A-6 医療の質と安全の管理」において、医学生が学修すべき項目として、安全性の確保、医療上の事故等への対処と予防、医療従事者の健康と安全を挙げており、各項目に学修到達目標を設定している。ただし、その学修時期や教育方法等の決定は、各医学部に委ねられており、教育を受ける側の学生の参加は乏しい。
本セッションでは、臨床実習を経験した医学生や看護学生が中心となり、学生から見た医療安全教育教育の現状を共有する。さらに、効果的な医療の質・安全に関する卒前教育のプログラムとその適切な実施時期について情報交換と意見交換を行い、本邦での卒前教育の改善の提案につなげていきたい。
座長
大德 和之 (弘前大学医学部附属病院 医療安全推進室)
演者
大德 和之 (弘前大学医学部附属病院 医療安全推進室)
永石 妙美 (横浜市立大学医学部医学科)
杉本 祥拓 (浜松医科大学医学部医学科)
白戸  蓮 (弘前大学医学部医学科)

KS12(パネルディスカッション)

「診療情報管理の視点からの医療の質向上や改善に向けた取組み
~継続的に取り組む「推進役」としての役割について~」

11月30日(土)13:10~14:10 第6会場(Room C-2)

企画概要
医療機関に勤務する事務スタッフにも、業務の細分化が行われ、広く診療報酬請求に携わる医療事務業務、診療情報管理、電子カルテ等のシステム管理、医師事務補助(医師クラーク)などの広範囲に渡り、それぞれの分野での専門性が強く求められている。その中でも診療記録の監査や管理、データの二次利用などに携わる業務においては、「診療情報管理士」の資格を有するスタッフも多く、医療安全の分野での活躍にも大いに期待されている。患者に直接的に治療やケアを提供しない、どちらかと言えば診療を支援する事務業務であるが、チーム医療の一員として、医療の質向上や改善に日々取り組んでいる。
今回の企画セッションでは、院内の情報管理を行う診療情報管理士や診療情報管理者の立場から、継続して医療の質を評価する「推進役」の一人として、日々の業務の中で、多職種と連携しながら、どのような視点に留意しながら院内で活動されているかを事例を交えながら報告して頂き、参加者との総合討論を行いながら議論深めていく。
企画セッション(ポイント)
①組織や各部署の活動や取組みを継続してを評価することの必要性について
②継続的な改善活動が続かない要因(原因)は何なのかをを整理する。
③継続した質向上(改善)に取り組むためにはどのようなアプローチが必要なのか。
④診療データを活用した医療の質改善活動の企画提案(プロジェクト化)について
⑤医療クオリティマネージャー(日本医療機能機構)のご紹介
座長
荒井 康夫 (北里大学病院 医療支援部診療情報管理室)
長浜 宗敏 (沖縄県立八重山病院 経営課)
演者
荒井 康夫 (北里大学病院 医療支援部診療情報管理室)
上田郁奈代 (国立循環器病研究センター 医療情報部 診療情報管理室)

KS13(シンポジウム)

「医療機器の安全な使用のために~事例から学ぶ~」

11月30日(土)8:00~9:00 第7会場(Room D)

企画概要
公益財団法人日本医療機能評価機構が運営している医療事故情報収集等事業(以下、本事業)は、医療機関から報告された医療事故情報やヒヤリ・ハット事例を分析し、提供することにより、医療安全対策に有用な情報を共有するとともに、医療事故の発生予防・再発防止を推進することを目的としている。2018年には4,565件の医療事故情報の報告があり、そのうち事例の概要が「医療機器等」「ドレーン・チューブ」の事例は11%を占めていた。
本事業では、医療安全管理者、臨床工学技士、医療機器メーカーの委員で構成される医療機器分析班会議を定期的に開催し、報告された事例を検討している。本事業には、人工呼吸器の画面の表示が分かりづらく、スタンバイの状態であることに気付かなかった事例など、医療機器に工夫が望まれる事例が報告されている。一方、添付文書に併用しないことと記載がある親水性のガイドワイヤーと金属針を併用し、ガイドワイヤーが破損して一部が体内に残存した事例など、医療従事者が医療機器の使用方法を誤り患者に影響があった事例も報告されている。
そこで、医療機器を安全に使用するための方策を考えるため、本シンポジウムを企画した。本シンポジウムでは、医療機関から事例を本事業に報告いただき、多くの医療機関で共有するとともに、医療機器メーカーがより安全なモノ作りや情報提供に活用し、医療機器の適正な使用につながるという連鎖の重要性を様々な視点から論じる。まず本事業への報告の現況、専門分析班会議の活動状況および医療機器に関する事例を紹介する。次に、本事業の専門分析班委員および総合評価部会委員の立場から、医療機器に関する事例の活用や医療機関での教育の状況について講演する。続いて、医療機器業界団体の立場から、誤使用を防ぐ製品開発や医療現場への情報提供も含めた医療機器の適正な使用への取り組みについて述べる。さらに、人間工学の専門家の立場から、医療機器のユーザビリティや誤使用防止のための医療機器のデザインについて講演する。本シンポジウムから、医療機器を正しく安全に使用するためのヒントが得られることを願っている。
座長
後   信 (公益財団法人日本医療機能評価機構 / 九州大学病院 医療安全管理部)
演者
坂口 美佐 (公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部)
三田 哲也 (テルモ株式会社)
鮎澤 純子 (九州大学大学院医学研究院 医療経営・管理学講座)

KS14(パネルディスカッション)

「医療の質を高めるRapid Response System 
~どのように導入し、どのように壁を打ち破るか~」

11月30日(土)8:00~9:30 第8会場(Room E)

企画概要
院内心停止の防止を目的としたRapid Response System(RRS)は、先進諸国では導入される傾向にあり、Joint Commission(JC)では北米施設におけるRRS導入を必須と位置付けた。本邦においても、日本医療評価機構が「患者の急変を捉えて迅速に対応する仕組みを」準備することを要件に加えた。医療の質や安全と深く関連するRRSではあるが、本邦におけるRRS導入にはまだ様々な障壁が存在していて、よく普及しているとは言えない。障壁としては、医療現場にある文化、風習や、ヒエラルヒー、主治医制、専門の壁などが考えられる。こういった障壁が、医療現場のコミュニケーションを悪化させ、職種間における患者情報の共有の失敗をもたらし、有害事象の発生に大きく寄与している可能性があると指摘されている。このようなノンテクニカルスキルの問題に起因する諸問題と、それにより誘発される有害事象を解決するであろう、RRSの側面がよく理解されていない。そこで今回は、RRSの導入ならびに定着に当たって、どのような壁があって、どのようにして打ち破らなければならないか?について、RRS導入した施設に経験と今後の展望を話していただき、聴衆の役に立ててもらおうという企画である。RRSを全く知らない会員、RRS未導入施設から、すでに稼働している施設まで、聴衆は様々な立場から本企画を聞きに来る可能性がある。そこで①RRS導入直後の病院、②導入後1年経過しているが、月12件/1000入院ほどの要請件数の施設で、RRS稼働後、様々な問題に遭遇している施設に、自施設における導入の経過と工夫などについて紹介してもらい、議論を行う。次に③月25件/1000入院以上を達成している施設から、その現状と将来への展望に加え蓄積した経験からRRSと今回のテーマである、「レジリエンス」との関係について考察を示してもらう。いかにRRS導入ならびに定着の困難を克服してゆくべきか、RRTの活動から新しいつながりが生まれ、そこから新たな安全の形(イノベーション)が生まれている、それがシステムのレジリエンスにつながっていく、という話題を議論する本セッションが、各施設の明日からのRRS導入ならびに定着と、その困難を克服するためのヒントをもたらすよう、活発な議論を促したい。
座長
森安 恵実 (北里大学病院 RST・RRT室)
中村 京太 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 医療安全管理学)
演者
新山 和也 (埼玉医科大学国際医療センター 救命救急センターICU)
南 ゆかり (鳥取大学医学部附属病院 高次集中治療部)
新井 正康 (北里大学医学部附属新世紀医療開発センター 集中治療医学)

KS15(パネルディスカッション)

「組織のレジリエンスを高めるチームトレーニングの実践と展望」

11月30日(土)8:00~9:30 第10会場(さくら)

企画概要
「医療において効果的なチームワークは、患者安全に直接的な好影響を及ぼす」とWHO患者安全カリキュラムガイド多職種版(2011)のトピック4の冒頭で述べられている。近年、医療技術の高度化に伴い、医療現場は専門分化されている中で、安全な労働時間の確保が求められており、効果的なチームワークの重要性がさらに注目されている。昨年度の本学術集会で「チーム医療を推進するチームワークを高めるためのトレーニングの活用」をテーマに企画したところ、会場に立ち見が出る程の多くの聴衆が集まり、チームトレーニングへの関心の高さを実感している。一方で、チームトレーニングの有用性を認識しているものの、組織の中での取り入れ方、教育への適応方法、効果測定の方法等について、その具体的な活用に苦慮している声も聞かれている。
チームワークを向上させることの有益性は、患者のアウトカムや安全性の向上だけにとどまらず、チームに属する個々の医療従事者やチーム全体、さらにはそのチームが所属する組織に信頼感や自信を持たせ、仕事の満足度にも寄与する。
昨今、医療安全を推進するためのチームトレーニングである「チームSTEPPS(チーム Strategies and Tool to Enhance Performance and Patient Safety)は、我が国でも周知されつつあり、本学会での成果発表も散見されている。そこで、日本にチームSTEPPSを導入された国立保健医療科学院の種田憲一郎先生を座長に迎え、以下の演者と内容を企画した。
Advanced Life Support in Obstetrics(ALSO)にチームトレーニングを取り入れていらっしゃる鈴木真先生に、シミュレーションにおけるチームワーク教育についてご発表頂く。地域を対象としたチームトレーニングを実施されている堺市立総合医療センターの郷間厳先生にはInstructional Designを用いた研修導入についてご紹介頂く。また、チームトレーニングを組織全体に導入し積極的に実施されている立川メディカルセンターの樋口敦子先生には、チームトレーニング導入の実際と評価についてご紹介頂き、同じく自施設・地域においてもチームトレーニングを積極的に展開されている近畿大学の辰巳陽一先生には、チームトレーニング導入後のoutcomeの読み取り方についての知見をご発表して頂く。上尾中央総合病院の長谷川剛先生には、指定討論者として、チーム医療を推進する上での心理的安全性の役割などについても話題提供を頂き、総合討論へと展開する。
チームトレーニングは、まさに、学会メインテーマ「レジリエンスの探求~つながり、共創、イノベーション」の実践に大きく寄与し関係するものと考える。最新の知見を交えながら、聴衆者との活発なディスカッションが期待される。
座長
種田憲一郎 (国立保健医療科学院)
石松 一真 (滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科)
演者
樋口 敦子 (医療法人立川メディカルセンター 本部)
郷間  厳 (堺市立総合医療センター)
辰巳 陽一 (近畿大学病院 安全管理部)
鈴木  真 (亀田総合病院)
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理部)

大会企画「THEプレゼンテーション」

大会企画「THEプレゼンテーション」

11月29日(金)17:00~18:00 ラーニングスペース(スワン)

企画概要
プレゼンテーションには、聴衆(オーディエンス)を魅了するためのスキルが求められる。視覚に訴える情報を駆使して己の意図とすることを聞き手に披露し、理解(称賛)を得るために全神経を集中する。今回の企画では、様々な分野において独自の視点や考えから新たな「コト」にチャレンジするリーダーに登壇頂き、短い時間(10分)の中で、それぞれの「思い」、「夢」、「目標」を熱く語って頂く。それぞれ演者の個性や持ち味を活かした「プレゼンテーション」からその取り組みを参加者と共有する。
司会
長浜 宗敏 (沖縄県立八重山病院 経営課 課長)
演者
竹村 光生 (NUBCビジネススクール 戦略経営研究所 研究員)
白戸  蓮 (弘前大学医学部医学科4年生)
土方健次郎 (全日本空輸株式会社 整備センター 品質保証室 マネジャー)
山下公太郎 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部・消化器外科 助教)
伊藤俊一郎 (株式会社AGREE 代表取締役・医師)

教育セミナー

教育セミナー1

「過去5年間の全診療科における画像読影・病理レポートの未確認・未説明検証作業と改善策への取り組み」

11月29日(金)11:50~12:40 第1会場(メインホール)

座長
長尾 能雅 (名古屋大学大学院医学系研究科 医療の質・患者安全学 教授、同附属病院副病院長)
演者
岩田 達也 (旭川医科大学病院 医療安全管理部 副部長・准教授)
共催
テルモ株式会社

教育セミナー2

「大切なものは目に見えない~心のレジリエンス探求」

11月29日(金)11:50~12:40 第2会場(Room A)

座長
後藤 隆久 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 病院長)
演者
吉川 秀樹 (市立豊中病院 総長)
共催
日本光電工業株式会社

教育セミナー3

「安全で有効な静脈栄養を実施するために―IPエコーと上腕PICC法の有用性」

11月29日(金)11:50~12:40 第3会場(Room B-1)

座長
松村 由美 (京都大学医学部附属病院 医療安全管理学 教授)
演者
井上 善文 (大阪大学国際医工情報センター 栄養ディバイス未来医工学共同研究部門 特任教授)
共催
ニプロ株式会社

教育セミナー4

「医療の質向上を目指したshared decision making~腎代替療法選択を例に~」

11月29日(金)11:50~12:40 第4会場(Room B-2)

座長
西  慎一 (神戸大学大学院医学研究科 腎臓内科 / 腎・血液浄化センター 教授)
演者
猪阪 善隆 (大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授)
共催
中外製薬株式会社

教育セミナー5

「手術室の記録と情報開示」

11月29日(金)11:50~12:40 第5会場(Room C-1)

座長
落合 慈之 (東京医療保健大学 学事顧問)
演者
相馬 孝博 (千葉大学医学部附属病院 医療安全管理部 部長・教授)
共催
ミズホ株式会社

教育セミナー6

「検査・処置の鎮静および病棟における鎮静の安全確保
-横浜市立大学附属病院における鎮静プロジェクトの取り組み-」

11月29日(金)11:50~12:40 第6会場(Room C-2)

座長
松島 久雄 (獨協医科大学埼玉医療センター 救命救急センター長 救急医療科 教授)
演者
菊地 龍明 (横浜市立大学附属病院 医療安全・医療管理学 准教授)
共催
コヴィディエンジャパン株式会社

教育セミナー7

「患者安全への取り組みを現場目線で考える~理想と現実の狭間に立って~」

11月29日(金)11:50~12:40 第7会場(Room D)

座長
中島  伸 (国立病院機構 大阪医療センター 総合診療部 部長・脳神経外科 医長)
演者
安宅 一晃 (奈良県総合医療センター 集中治療部 部長)
共催
株式会社メディカ出版

教育セミナー8

「不眠症治療の今後の展望~診療報酬改定を踏まえた治療戦略~」

11月29日(金)11:50~12:40 第8会場(Room E)

座長
村川 公央 (岡山大学病院 副薬剤部長)
演者
高江洲義和 (杏林大学医学部 精神神経科学教室 講師)
共催
MSD株式会社

教育セミナー9

「安全推進のために必要な「自律」と「場の創出」」

11月30日(土)12:00~12:50 第1会場(メインホール)

座長兼演者
長谷川 剛 (上尾中央総合病院 情報管理特任副院長、情報管理部部長)
演者
中西 美和 (慶應義塾大学 理工学部 管理工学科 准教授)
共催
エルゼビア・ジャパン株式会社

教育セミナー10

「患者状態の連続把握による“少し早い気づき”が看護現場をどう変えたか?」

11月30日(土)12:00~12:50 第2会場(Room A)

座長
村岡 修子 (NTT関東病院 看護師長)
演者
村上 好枝 (JA長野厚生連 佐久総合病院 副看護部長)
丸山 美鈴 (JA長野厚生連 佐久総合病院 医療安全管理者)
田中麻里子 (東京都リハビリテーション病院 医療福祉連携室)
共催
パラマウントベッド株式会社

教育セミナー11

「医療放射線の安全管理体制に関する新情報「医療放射線安全管理責任者」の配置が義務付けられます~医療被ばく線量管理・記録のためにやるべきこと~」

11月30日(土)12:00~12:50 第3会場(Room B-1)

座長
亀森 康子 (自治医科大学附属さいたま医療センター 医療安全・渉外対策部 看護師長)
寺井美峰子 (名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 病院助教)
演者
關  良充 (公益社団法人地域医療振興協会 東京北医療センター 医療安全管理部兼健康管理センター 医療安全管理室長)
共催
ニプロ株式会社

教育セミナー12

「静脈血栓症予防における理学的予防法の理論と実践」

11月30日(土)12:00~12:50 第4会場(Room B-2)

座長
瀧浪 將典 (東京慈恵会医科大学附属病院 副院長)
演者
菊地 龍明 (横浜市立大学附属病院 医療安全・医療管理学 准教授)
共催
日本コヴィディエン株式会社

教育セミナー13

「抗凝固療法中患者の重篤出血治療におけるプロトロンビン複合体製剤の安全使用戦略の重要性」

11月30日(土)12:00~12:50 第5会場(Room C-1)

座長
橋本 佳之 (奈良県総合医療センター 医療安全推進室 兼 薬剤部)
演者
岡野 雄一 (熊本赤十字病院 第一救急科 副部長)
共催
CSLベーリング株式会社

教育セミナー14

「多職種チームによるレジリエンスの探求―透析室の軌跡と医薬品の奇跡―」

11月30日(土)12:00~12:50 第6会場(Room C-2)

座長
赤木 晋介 (倉敷中央病院 薬剤部 病棟薬剤部長)
演者
新開 裕幸 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 看護師長)
木下 徳康 (大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 主任薬剤師)
共催
東和薬品株式会社

教育セミナー15

「DOAC時代の静脈血栓塞栓症予防・治療マニュアルの作成と工夫」

11月30日(土)12:00~12:50 第7会場(Room D)

座長
新保 昌久 (自治医科大学 医療の質向上・安全推進センター センター長・教授)
演者
小板橋紀通 (群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 循環器内科学 病院講師)
共催
バイエル薬品株式会社

教育セミナー16

「二酸化塩素を用いた新たな院内感染対策の提案」

11月30日(土)12:00~12:50 第8会場(Room E)

座長
西田 俊朗 (国立研究開発法人 国立がんセンター中央病院 病院長)
演者
柴田  高 (大阪大学大学院医学系研究科 招聘教授)
共催
大幸薬品株式会社

教育セミナー17

「インシデント報告でチームトレーニングを!
-ノンテクニカルスキルとインシデント管理システムとの融合-」

11月30日(土)12:00~12:50 第10会場(さくら)

座長
松村 由美 (京都大学医学部附属病院 医療安全管理部 教授)
演者
辰巳 陽一 (近畿大学病院 医療安全対策室 室長・教授)
共催
株式会社メディシステムソリューション

ラーニングプログラム

プログラム1

テーマ
医療安全を踏まえた周術期システム改善プログラム 体験ミニセミナー
主催
テルモ株式会社

29日(金)15:30-16:30の回は受付終了致しました。
30日(土)14:10-15:10の回は引き続き募集中です。

プログラム5

テーマ
病院BCP訓練体験会 ~地震発生時の災害対策本部活動を体験しよう~
主催
MS&ADインターリスク総研株式会社 / 三井住友海上火災保険株式会社
事務局
大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15
運営事務局
株式会社コンベンションリンケージ内 〒531-0072 大阪市北区豊崎3-19-3 PIAS TOWER 11F TEL : 06-6377-2188 FAX : 06-6377-2075 E-mail:14jsqsh@c-linkage.co.jp